MIU404《Another Story》 (ページ37)

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桔梗side

ゆたかとハムちゃんがお風呂に入ったということで、Aちゃんを問い詰める。

それは警察という立場からでもあるが、彼女が心配だからという方が大きい。

青少年犯罪をする子の多くは心に闇を抱えている。

その理由の多くはまわりにいる大人だ。

彼女の場合はそれが親なのではないか。

これは私の勘だけど…

私に出来ることがあるなら彼女を助けたい。

その一心で言葉を発する。

「これなに？」

この私の発言に彼女は『タバコとお酒です』と答えた。

それは見たらわかる。

「そういうことを聞いてるんじゃない。」

私が言うと彼女は何かを考える素振りを見せる。
多分だけど、どういう意味がわかってないのだろう。

「吸ってないって言ったよね？タバコ。それともこれは親御さんのとでも言うつもり？」

お酒のことを聞かなかったのはは伊吹が親に頼まれたんだと言ってたから。

ほんとかは分からないけど、Aちゃんがお酒を嫌ってるのは何となく気づいたから多分当たってるのだろう。

怖がらせてしまっただろうか。

でも、これは大事なこと。

正しい道に戻してあげる義務が私にはあると思ってる。

しかし、Aちゃんは

『桔梗さんには！！桔梗さんには関係ないでしょ！！』

そう叫んで家から飛び出て行ってしまった。

やってしまった……

追いかけようと靴を履いた時

「おかあさん！お風呂上がったよ！」

というゆたかの声と

「お先しました」

というハムちゃんの声。

「ゆたか、ちゃんと寝ててね？ハムちゃんちょっとよろしく」

ハムちゃんにゆたかを頼んで私はAちゃんを追いかけに走った。