MIU404《Another Story》 (ページ16)

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口角が上がったサングラスの男がこちらに走ってくる。

気づいてしまった。
あのサングラスの男、あの時コンビニで会ったフレンドリーだ。

あの時は逃げてきたけど今は逃げれない。

それに制服を着てる今、あの時の事を話題に出されでもしたら桔梗さんの耳に届くに決まっている。

どうしよう…

そんな私の焦りとは裏腹にフレンドリーは近づいてくる。

「ほら、やっぱり未成年〜！」

満面の笑みでこちらを見るフレンドリー。

しかも第一声でそんなこと言ったら桔梗さんもこちらを見るわけで。

「あの後お酒とタバコ買ったの？」

悪びれもなく聞いてくるフレンドリーを軽く睨む。

『ただのコンビニ店員に関係ないでしょ。』

焦る気持ちを隠しながら平然を装って答える。

するとフレンドリーはニヤッと笑って自分の胸ポケットから何かを取りだした。

それをこちらに見せて、

「残念〜！俺も志摩も警・察・官！」

リズムにのるようにそう言っていつの間にかフレンドリーの隣に来ていた無表情のふわふわ髪の肩を抱く。

私はというと理解するのに時間がかかって出た言葉は
『は？』
という間抜けな声。

「だーかーらー！俺ら警察官なの！」

私が発した間抜けな声にムキになったのか、フレンドリーはもう一度私に向かって自分は警察官だと言う。

『警察官って、だって、コンビニは？』
「あれは張り込み！」
『コンビニに張り込みってなんなの。』
「強盗が入るかもしれなかったから張り込みしてたの！」

私とフレンドリーが言い合いをしていると

「なにがあったの？」

という桔梗さんの声。

その声が聞こえて気がつく。
いつの間にか、ふわふわ髪と桔梗さんはもちろんのこと、ゆたか君も、ストールを巻いてる女の人も、私とフレンドリーを見ている。

「えー？実はさ、404がニコニコマートで張り込みしてた時、この子が『いや！！！何も無いです！！！』いやあるから！」

フレンドリーが桔梗さんに話そうとするあの夜のこと。
それを私が無理やり止める。

桔梗さんとこのフレンドリーの会話を聞く限り多分桔梗さんも警察官だ。

だからバーで話してた時も補導されるとうるさく言ったのだ。

理解した。
私はやばい。
今のこの状況、やばすぎる。

「Aちゃん。こっちに来て？」

桔梗さんは私に手招きをする。

これ以上怪しまれるわけにはいかないと思い、素直に桔梗さんに近づく。

桔梗さんは目の前に立った私の頭を撫でながら
「ほんとに何も無いの？」
と聞いてきた。