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話なんて頭に入ってこなかった。
途中、質問をされた気がしたけど、
ちゃんと答えられたと思う。
これは悪戯？
それとも、運命？
「そろそろお暇します。
またお顔拝見に伺いますね」
多分、もう来ない。
平野に来させると思う。
まだ高鳴る鼓動をどうにか押さえつけて
エレベーターに乗り込む。
閉ボタンを押そうとしたとき、
誰かが入ってきた。
「車だろ？駐車場まで見送るよ」
「優太くん」
「驚いたな、親父がさ
今日は取引先の優秀な美人社員が来るって言うから。
どんな人かと思ってたらまさか、ね」
「残念でした。
随分と過剰評価してくださるお父様ね」
エレベーターを壁にどん、と彼の手が叩いた。
大きな音。
「どうしていなくなった？おれの前から」
「優太くんが帰れって言ったんじゃないの？」
私を拒否したのは優太くん、あなたでしょ？
そんなあなたがいまさら何を言うの？
軽快な音がエレベーター内に。
地下駐車場に止まる。
「じゃあね」
「待って、これ」
無理矢理掴まされた紙切れには
優太くんの電話番号が書かれてた。
「島じゃ携帯なんてめったに使わないからさ」
「どうしろっていうの？
こっちに帰ってきたら私には彼氏がいるんだよ？
それを、わかってやってるの？」
「わかってるよ」
やだよ。
スーツなんて全然似合わないじゃん。
優太くんにスーツなんて似合わないよ。
知りたくなかった。
私は私の記憶の中にいる優太くんで十分だった。
どうして？
どうして目の前に優太くんがいるの？
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かめ - めっちや、よかったです！この、作品好き (2017年7月7日 18時) (
レス) id: 185613c9fe (このIDを非表示/違反報告)
龍風(プロフ) - この作品の言葉のチョイスや物語の雰囲気が大好きです！とっても素敵なお話でした！！ (2015年8月30日 21時) (レス) id: 1b72ee1613 (このIDを非表示/違反報告)
じぐさ - 今まで読んだ中で１番位に良かったです！感動というか、楽しかったというか、言葉に表せないのですが素晴らしい作品でした！どちらの作者さんもこれからも頑張ってください！ (2015年8月26日 21時) (レス) id: b75a77f642 (このIDを非表示/違反報告)
星葉(プロフ) - すごく良かったです！文がきれいで読みやすかったです。これを映像化してほしいぐらい私この作品好きです！ (2015年8月16日 18時) (レス) id: ed2de52e9c (このIDを非表示/違反報告)
Natsumi .(プロフ) - ゆいさん、なつです！元平野なつです！お久しぶりです！！ りんりなさんとゆいさんのコラボ…全然知らなくて今更いっき見← 素敵な作品でした、また、書いてくださいおふたりで！！待ってます！！ (2015年8月16日 11時) (レス) id: 844a66fde4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆＆リンリナ
x他1人 | 作成日時：2015年8月2日 17時
