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「浮気……」
「え？」
「……された」
「ちょっとビビった、浮気した方なのかと」
「してないよ！バカ！」
「怖え！魔性のオンナ！」
「してないって言ってんでしょ！バーーカ」
なんでだろう。
この店の雰囲気に流されてるのかな。
酔ってるっちゃ、まあ酔ってるんだろうけど
この島に来た理由なんて、言う予定なかったのに、口が、勝手に。
濁った透明みたいな、
ちょっと黄色みたいな、
目の前のお酒をぼーっとみる。
「……必要としてたのになあ、」
「うん」
「必要としてたのに……伝わってなかったのかあ。かなしいな」
「伝わってなかった、てことないんじゃない？」
「いーや、あれは伝わってなかった。1%も伝わってなかったね！」
「そーかな」
「そうなの！大体ねえ、岸くんに何がわかるってのよ！」
「わかるよ」
視線をあげたら、
岸くんと目が合う。
やっぱり、透明。
きれい。
上にあるライトが当たって、
キラキラしてる。
でも、それだけじゃなくて
その中にしっかり存在する、強い眼差し。
「わかるよ」
もっかい言う。
はあ？なにが。
わかるはずないじゃん。今日出会ったばっかなのに。
なのに、
そう文句を言おうとしてるのに、
涙が、落ちた。
「何も、考えたくない。」
「……」
「だからこの島に来たんでしょ。1ヶ月も休み取って」
「……なんで、」
「瞳が、震えてる。」
「え？」
「怖いって。震えてるから。」
私、やっぱ酔ってるんだ。きっと。
じゃなきゃ、人前で泣くなんて
お酒飲んで泣くなんて、そんなこと、しないもん。
そうだ。そういうことにしてしまおう。
「自分の答えを出すのが、怖いんだよね？」
「………まだ好きな量と…もうヤダっていう量が…どっちが多いのか…わからない……」
「まだ別れてないんだ」
「ん、多分……」
「今は逃げてると。」
「そうだね…この状態で次会ったら……正しい選択、を選べない気がして」
「正しい選択、ね……。でもほんとは」
手が伸びてきて、
目元をぬぐった。
「1番逃げてる相手は、自分でしょ？」
「……っ、」
「苦しかったね、自分で自分自身を問い詰めるのは」
酔ってる、酔ってる、酔ってるんだ私は。
じゃなきゃ、こんなに
嗚咽漏らして、人前で泣くなんて、
そんなことしないもん。
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かめ - めっちや、よかったです！この、作品好き (2017年7月7日 18時) (
レス) id: 185613c9fe (このIDを非表示/違反報告)
龍風(プロフ) - この作品の言葉のチョイスや物語の雰囲気が大好きです！とっても素敵なお話でした！！ (2015年8月30日 21時) (レス) id: 1b72ee1613 (このIDを非表示/違反報告)
じぐさ - 今まで読んだ中で１番位に良かったです！感動というか、楽しかったというか、言葉に表せないのですが素晴らしい作品でした！どちらの作者さんもこれからも頑張ってください！ (2015年8月26日 21時) (レス) id: b75a77f642 (このIDを非表示/違反報告)
星葉(プロフ) - すごく良かったです！文がきれいで読みやすかったです。これを映像化してほしいぐらい私この作品好きです！ (2015年8月16日 18時) (レス) id: ed2de52e9c (このIDを非表示/違反報告)
Natsumi .(プロフ) - ゆいさん、なつです！元平野なつです！お久しぶりです！！ りんりなさんとゆいさんのコラボ…全然知らなくて今更いっき見← 素敵な作品でした、また、書いてくださいおふたりで！！待ってます！！ (2015年8月16日 11時) (レス) id: 844a66fde4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆＆リンリナ
x他1人 | 作成日時：2015年8月2日 17時
