13-涙の止め方 ページ13
部屋に入って靴を脱ぐと、ガランとして暗くて静かな部屋が無性に寂しくて、自覚したばかりの恋心と相まって、泣いた。ボロボロ泣いた。
そうしたらジミンから着信があった。泣いてる最中に取れるわけない。無視を決め込むとかなり長く鳴って、しばらくして静かになった。
その後「ヌナ、これみたらすぐでんわください」というメッセージが届いたから「きょうはむりだからあすれんらくします」と返信して電源をオフにした。
スマホはソファーに投げた。
メッセージを読まない、返信しないという選択肢だってあったのに、それをしないのは惚れた弱みなのかなぁ。
ああ。思い返せば、合鍵渡してる時点で惚れてたんだろうな、私。
なんで気づかなかったんだろう。いや、気付いてたら変わってたかな。変わらないか。結局なにもできずに終わってただろうなー。
彼との思い出なんて、家でのんびり過ごしただけで、大したものじゃない。一緒に見たテレビの話とか、ご飯の話とか、彼が行った国の話とかくらい。彼の家族や友人の話すら聞いたことなかったなぁ。今日会った不審者くんの名前すら知らなかった。
彼のこと、大して知ってるわけじゃないのによく惚れたな。なんてチョロいんだ私。
笑える。
後2週間すればジミンが来る。そうしたら、ちゃんとサヨナラできるかな。
2週間あるんだから、ある意味準備期間をもらったようなものだよね。
よし。
立ち上がってキッチンに向かった。
いつの間にかジミン専用にしていた食器たちを丁寧に新聞紙に包んで段ボールにまとめた。
捨てないのは未練じゃない。もったいないからだ。
いつの間にかパジャマや歯ブラシも置いてあったけど、それらは紙袋にまとめた。本人が持ち込んだ私物は返そう。
そんなことをしていれば、いつの間にか日付は変わっていたし、汗だくでメイクもボロボロで尚且つ酒臭いという酷い状況だった。
けれど、そうしてようやく涙が止まった。
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まぁちゃん(プロフ) - とても楽しく読ませてもらってます！更新頑張ってください！いたジミナの仕事がわかるのかな？知ったヌナはどんな反応するんだろうと、ワクワクしてます！更新頑張ってください！！ (2019年12月8日 21時) (
レス) id: c9fb7178cf (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - 初コメ失礼します☆オススメから作品を拝見ささていただきました^ ^丁寧に お話が進んでいくのと��ヌナ設定��が とても好きです☆この先の展開が とっても楽しみです☆更新 頑張ってください(*^▽^*) (2019年12月1日 8時) (レス) id: f642a86e45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2019年11月19日 14時
