Gerbera (ページ7)

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『小森さん、着きましたよ』

いつの間にか寝ていたらしい俺は
無表情で運転席から覗く綺麗な顔に
慌てて飛び起きる

隼「っ！！けほ、ありがとうございます！」

急いで降りると、いつものように駐車場へ
止めに行く車を見送る

楽屋に入り、軽く打ち合わせして本番

いつもならブースの外で立っているはずの
Aさんの姿はなかった

珍しいな、電話かな

そんなことを考えているうちに
1本目が終わる

少し休憩する為に楽屋に戻ると
ケータリングのお菓子のところに
先程にはなかったのど飴

ラジオだからのど飴なのかな、
気が利くスタッフがいるな、ラッキー！

なんて思いながらコロ、と口の中へ放り込む

コーヒーでも入れようとケトルに貼ってある
マスキングテープに"生姜湯"と書かれている

今まで見たことないそれに、今日は運がいい！
なんて少し上機嫌になる

少し良くなった喉で、2本目も無事撮り終えた

隼「おっはよー♪」

龍「なんやご機嫌やな」

玲「なんか気持ち悪りぃな」

隼「ひどっw」

涼「喉、良くなった？」

隼「……え、？」

え、え、なんで知ってるの？

俺の顔で察した涼太くんは笑っている

涼「Aさんから連絡きて、
おすすめののど飴教えてくれって。
聞いたら隼が咳してるっていうからさー」

あれは、Aさんが用意してくれたのか……

涼「教えたらね、そののど飴はどこに売ってるんですか？
調べたんですけど生姜湯は本当に効くんですか？って
それはもう珍しくめっちゃ喋ってて笑っちゃったよw」

玲「へぇー、意外」

優しい人、なんだなー

俺の中でちょっとだけ、Aさんの好感度が上がった

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