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Aside





無言で帰ってきてソファーに座らされる




隣に座った剛典に少しの恐怖心



……付き合ってる彼氏に恐怖を抱くのは
おかしいような気もする




「……バラして良かったの?」



『ん、もう、いいの』







"Aさん!好きです!"







あの時、一瞬浮かんだ笑顔の小森さん



帰り際の俯いたあなたは
どんな顔をしてた?






ぎゅ、と抱きしめられると
少し低い声が耳元を掠めた





「……今、誰のこと考えてた?」





一瞬にして冷たい空気が張り詰める




『……さ、佐々木さん、』



咄嗟にそう言うと、身体を少し離して
覗き込むようにして、鋭い視線が降り注ぐ



「……誰、」



『……さっき、剛典の隣にいた、
GENEのヘアメイクさん……』



視線を宙に浮かべると"あぁ、"と小さく漏らす



ゆっくりと私に視線が戻ると、
先程の鋭い視線はなく、
段々と上がる口角




「……妬いちゃった?」



にやにやと笑う剛典に少しほっとする




『……だって、距離近かった…』



これはホントのこと。



「ふは、嬉しい」



笑ってまた抱きしめる剛典に安堵する




「……ねぇ、しばらくっていつまで?」




突然の問いになんの事か分からず、首を傾げる




「……明後日から撮影で地方行くから
しばらく会えないんだけど………シてもいい?」




その言葉に、はっと思い出して立ち上がる




『ダメ!あれ隠すの大変だったんだから!
結局バレたし……恥ずかしかった……!』



「えー、シようよー」



『おあずけです!』



ぶーぶー言ってる剛典をリビングに放置して
自分は寝室へ行き、ベッドに倒れ込む




目を閉じて思い出すのは

泣きそうな小森さん




慌てたり、赤くなったり、笑顔だったり


色んな小森さんを見てきたけど
どうしても残るあの表情



痛む胸の意味を私は知っている



でも、まだ知らないふりをしよう




心に蓋をしてゆっくりと目を閉じた






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作者名:リナリア | 作成日時:2020年10月10日 10時

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