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『……夜の営みではどういう表情するのか、って
聞いてきましたけど、』



剛典に向けてそういうと
どこからともなく"なんで岩さん…?"
と聞こえてくる



バラしたことを瞬時に察した剛典は
みるみる口角を上げていく



岩「……止まらなくなるほど妖艶?w」




にやにやしながら答える剛典に
ちょっと後悔しつつ、数原さんに向き直り



『だそうです』



一気に静まり返った個室で、
さらっとそう告げると、
目の前の片寄さん、その向こうの数原さんは
目を見開いて口が半開き


あまりの間抜け面に笑いそうになる




「「「えぇぇぇぇ?!?!」」」




鼓膜が破れるんじゃないかというほど
大声でシンクロして驚く皆さんに思わず耳を塞ぐ



剛典は先程とは打って変わって
嬉しそうににこにこして飲み出して

事情を知っているNAOTOさんは
ケラケラ笑っている



龍「え、岩さ、は?!」

涼「え、冗談だよね?!」

玲「NAOTOさん知ってたんすか?!」

NA「前に紹介されてるからねー♪」

健「なんで俺らには紹介せーへんねん!」




あちこちで騒ぎ出す人を横目に
黙々とビールを煽る



すると、左手が掴まれる



振り返ると小森さんで、なんだか泣きそうな顔をしている



少しズキッと胸が痛んだ気がするけど
それはきっと気のせいだ



隼「……嘘ですよね、Aさん、嘘ですよね?!」



『……こも、…岩「悪いけど、ホントなんだよね」』



いつの間にか後ろに来ていた剛典は
私の手から小森さんの手を離す



岩「……もう帰っていいっすか?」



掴まれた手を引かれ、
立ち上がるように促される
渋々立つと剛典は自分の荷物と
私の荷物を持ち上げる



NA「えー!久しぶりにAちゃんと
飲みたかったのにー!」



ぶーぶー言ってるNAOTOさんと、
口を開けたまま間抜け面の皆さんに
お疲れ様でした、と頭を下げる




小森さんはさっきまで私が座ってた方向に
身体を向けたまま、俯いていた



そして剛典に手を引かれるまま、その場を去った





ズキズキと痛む胸を抑えながら






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作者名:リナリア | 作成日時:2020年10月10日 10時

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