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隼「こ、これ!着て!」
『ありがとうございます』
無理矢理被せられたTシャツに袖を通すと
いつの間にか倒れるようにベッドに横になっている小森さん
『………これ、ほんとにマネージャーの仕事……?』
服についた汚れを流し、洗濯機にいれる
その間に、きっと二日酔いだろうから
朝飲めるように味噌汁を作る
『二日酔いの朝は味噌汁が1番だよねぇ…』
その間に洗濯が終わる
適当にその辺に部屋干しして、
寝室へ様子を見に行くと
ぐっすりと眠っている
時々気持ち悪いのか、唸ってるけど
『……はぁ、疲れた』
そう零すとぐいっと手を引かれ、
ベッドに倒れ込む
『わっ!……え、小森さん?』
手を握られたままで寝ている小森さん
『え、また……?!』
どうにもこうにも離してくれないその手は諦めると
途端に襲って来る睡魔
『………そういえば、睡眠邪魔されたんだった』
ふぁぁ、と大きなあくびひとつ漏らして
そのまま眠りについた
.
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で、今目の前で赤くなったり青くなったりしている
小森さんを見て………
何となく昨日の苦労の腹いせでもしてやろうと
悪戯心が疼き出す
『………二日酔いですよね?
お味噌汁作ってありますけど飲みますか?』
「え、あ、は、はい……っ!」
あたふたしている小森さんに笑いを堪える
『………っ、いたっ』
昨日おぶったせいか、腰が痛んで
あえて大袈裟に痛がってみる
「えぇ!?大丈夫?!
え、やややややっぱり…………?!」
笑いを堪えながら寝室を出ていくと
「え?!どどどどーしよ!?」
「ごごごみ!な、ない?!え、」
『ぷっ!』
もう堪えることなんて出来なくて
涙を流しながら笑った
その笑いを聞いて慌てて出てきた小森さんの顔を見て
またしばらく、私の笑いは収まることはなかった
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作者名:リナリア | 作成日時:2020年10月10日 10時