Gerbera (ページ15)

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Aside

明日早いから、と帰っていった剛典

適当につけたテレビを見ながら
ソファーでゆっくりコーヒーを飲む

時刻は23時

そろそろ寝ようかという時に鳴る電話

画面には"小森隼"の文字

一瞬、戸惑いが走ったがマネージャーとしては
出るしか道はない

『はい』

「……あ、Aさん………」

掠れて鼻にかかった声、
多少荒い息遣い

『……悪化しましたか、』

「………すみません、」

『すぐ伺います』

「え！いや…でも……っ」

なんか言ってたけど気に止めることもなく
切る電話(酷いw)

急いで家を出る

車に乗り込み、コンビニで必要な物を買って
小森さんの家に向かった

インターフォンを押すと
パジャマ姿のセットしてないぼさぼさの髪にマスク

いかにも病人ですという表情の小森さん

「……どうぞ」

『失礼します』

リビングに案内され荷物を置く

くるりと振り返るとぼーっと突っ立っている小森さん

近付いて額に手を当てる

ビクッと身体が揺れる

『………結構ありますね』

「………すみません」

『とりあえず寝てください』

思いの外熱い背中を押しながらゆっくりと寝室へ向かう

『何か食べました？』

「なにも……」

『ゼリー買ってきたので食べますか？』

「ん、食べたい…………」

『持ってきますね』

リビングに置いた荷物からあれこれと出して
寝室へ戻る

前髪をあげて冷えピタを貼る

触れた時にまたビクッと身体が揺れる

「……Aさん……すっぴん？」

ゼリーを用意してる横で突然話しかけられる

その言葉に思い返せば薄いピンクのセットアップの部屋着に
髪も下ろしたまま、もちろんノーメイク

『……あ、忘れてた』

そういうと笑う小森さん

「へへ、レアAさん、可愛い」

ふわっと暖かくなるような笑顔を向けられて
思わず顔に熱が集まるのが分かる

『………ゼリー、どれがいいですか』

「……あれ！Aさん！照れてる！！」

がばっと起き上がった小森さんは顔を覗き込んだあと
よっしゃー！ってガッツポーズ

『みかんでいいですね、はいどうぞ』

「……食べさ『はい、スプーン』……はい」

ちまちまと食べ始めた小森さんを置いて
キッチンに向かう

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