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一方の椎名家―――







騒ぎは尋常ではなかった





「お前、北斗見てないか?!!」






朝から慎太郎が血相を変えて樹に詰め寄る







「北斗?何?昨日は見たけどな…」






物凄い形相で近付いてきた慎太郎に、
樹は思わず手を止めてそう言う







「お嬢が、姿消したらしいんだ!!!」






「え!?それホントか?!」







思いがけない言葉に持っていた筆が宙を舞う





「ホントだ…今朝手紙だけ残していなくなってたらしい…
そしたら案の定、北斗もいない…」








二人の顔から血の気が引いていくのが分かった







この一件でお嬢と北斗の関係が知れ渡ることになった







すぐにでも一斉捜査をさせようと言った
お嬢の父の怒りは半端なものでは無かった







「それヤバイだろ…北斗見つかったら……っ」






「いや、捜査は無くなったんだ」






焦る樹とは裏腹に少しトーンを落とした慎太郎に
驚いて目を丸くして勢いよく視線を向ける






「え…?なんで?」






きょとん、とした顔はきっと間抜けな顔をしているだろう
そんなことも気にもとめない慎太郎は続けた







「京本家が、今は探さなくていいって言ったらしい…」







「なんで、そんな……」







「樹!!!!」








慌ただしく襖が開き、騒がしい声が樹に降り掛かる







「…さやか?!」






そこにいたのは肩で息をするさやかの姿








「Aがいなくなったってどうゆう事?!
ねぇ、なんで?!!」






樹の肩を揺らして、目に涙を溜めたさやかは
そう詰め寄った







「そうか…、お前知らなかったんだな……」







そうして、樹はさやかに全てを話した









北斗が家に来てからの事、

そしてお嬢と恋に堕ちた事、

結婚という力で引き裂かれた事、



それから、まだ二人は愛し合ってるという事……










「A…、なんで…っ」






さやかはきっとお嬢の胸の傷みが一番分かるのだろう






溜まっていた雫はぽろぽろと零れていた






「あの子、そうゆうとこ…私に似てるから……」







さやかは自分が心中を考えた事を思い出していた







樹もまた、不安の色は隠しきれなかった…









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あい - このお話大好きです! (2022年10月2日 12時) (レス) id: 72d1a3d1f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナリア | 作成日時:2022年7月31日 1時

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