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『…ね、北斗…?』
「ん、」
情事後、今にも泣き出しそうな私は
少し不安気に北斗の手を握る
その手をぎゅ、っと握り返す北斗
………きっと北斗には分かっていたんだろう
私が何を言おうとしてるのか…
「A……多分、同じ事考えてる…」
『北斗……』
「よく聞いて…」
そこから話す内容は、無謀とも言える話だったけれど
私達には迷いも、戸惑いも、躊躇いさえも無かった
愛してるから、
貴方の傍にいたいから…
「とりあえずは、遅くならないうちに帰りな?」
『ん…』
「A…」
名残惜しそうに眉を下げている北斗の手を
離せないでいると、
一瞬力が入ったその手を引かれ、
腕の中に再び閉じ込められる
そっと重ねた唇は確かに永遠を誓うもの
きっとお互いにそう感じたはず
またね、と微笑む私の首元には、
北斗から受けた赤い華がハッキリと浮かんでいた
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あい - このお話大好きです! (2022年10月2日 12時) (レス) id: 72d1a3d1f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナリア | 作成日時:2022年7月31日 1時