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「明日…ですね。幸せになってください…」







頬を伝う涙を月が照らす






一人で囁く別れの言葉はあまりにも哀しすぎた









『…ほく、と…?』








名前を呼ばれて後ろを振り返ると、
そこにはAの姿があった






言葉が見当たらず暫く見つめ合うが、
これ以上一緒にいたら離れられなくなる




振り切るようにして去ろうとする








『…待って』






だが、Aは俺の手を強く握るようにして
それを許してくれない






涙が白く透き通る肌を伝っている






『…最後に一回でいいの…もう一度、抱きしめて…』






涙に濡れた声を精一杯繋ぎ合わせたA
過った一瞬の戸惑いは脆く崩れ、
Aを抱きしめては夢中で口付ける







一つずつを大切に感じ取るように、
何度も何度も舌を絡め合わせた






『…もっと……』







Aは涙を流し、その唇を求め続ける






俺の欲 情は止まらなかった…







「…抱いても、いいですか…?」








二人が愛を知った夜、

それは別れの日という残酷な現実








最初で最後の一夜

刻み付けた痣が、

哀しみを物語った








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あい - このお話大好きです! (2022年10月2日 12時) (レス) id: 72d1a3d1f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナリア | 作成日時:2022年7月31日 1時

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