木蘭の涙 (ページ4)

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「どうだ、なかなか出来た息子さんだろう？」

『はい、とってもいい方でしたね』

呼び出された父上の書斎

話す内容は今日の顔合わせ

顔も所作も言葉遣いも……
振る舞い全てが好印象だった京本さんに父上は満足気に頷く

ホントに私は……京本さんと結婚する事になるんだ……

父上の書斎から出た先に、
たまたま慎太郎と出くわす

『あ、慎太郎』

「どうしました？」

思わず名前を呼んでしまうと
にこにことすぐに駆け寄ってくる

…………犬かっ

『ホントに綺麗な人だったわ……見る目あるじゃん(笑)』

「だから言ったでしょー？！」

そう褒めるとドヤ顔が返ってくる

『世の中にはあんな綺麗な顔した人間いるんだなぁー……』

「僕見て言うのやめてくださいよ(笑)」

「別に慎太郎がどうだなんて言ってないじゃん(笑)」

「そうですか(笑)まぁきっとこのご結婚も上手くいくんでしょうね～」

結婚……か

まだ何も考えられない私はどうかしてるんだろうか

別に京本さんがどうとかじゃなくて、
なんかこう…感情的な実感がまるで無い

昔、何かで読んだ事がある

" 愛しい " とか " 切ない " とかって

………それが全然分からない

結婚までにはどうしても知りたかった

結婚までにはどうしてもそんな人に出逢いたかった……

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