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「…綺麗、ホントに…」





『ホント?』





「うん、よく似合ってる」





『………嬉しい、』






北斗とAはいつものように縁側で二人の時を過ごす






目の前でくるり、と回った私に、
口元を隠しながら褒めてくれる北斗に
顔が緩んでいく









『お祭り、一緒に行ってくれる…?』






「…………いいの?そんな事して…」






少し不安気に見上げるAの頬に
北斗がそっと手を添えると、
二人は笑い合って約束を交わした







「お嬢、旦那様がお呼びです」







『………父上が?』






樹にそう告げられ、
Aは北斗を残して父の元へ向かった






「…………北斗……」






樹に言われるであろう言葉は分かっていた







「分かってる……、分かってるんですよ、僕も…」







悲痛な表情を浮かべる北斗に、
一瞬、奥歯をぐっと噛み締め、
小さくため息を零した樹







「…お前見てると、あの時一緒に逝っとけばって…、
そう思うんだ…」






「え……?」







Aが座っていた場所に、静か腰を下ろしてそう言った










握った拳に力が入っているのが容易に分かる







その手を見て、北斗はゆらゆらと瞳を揺らす







「………もう10年も前の話だけどな、





この家に来たばっかりの頃だった





冬の寒い日だったな…




来て間もない俺に、いつも懐いてきたんだ







可愛かった………






今も、あの頃のまま僕の中に居続けてる…






……サヤカを愛してた…」








樹は、北斗の知らないサヤカの話をし続けた







サヤカの事を想っては涙を零しながら、全てを話した






北斗にとって、それは自分の先の未来が映し出されたかのようだった








残酷なほどにはっきりと……









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あい - このお話大好きです! (2022年10月2日 12時) (レス) id: 72d1a3d1f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナリア | 作成日時:2022年7月31日 1時

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