Forget-me-not 2 (ページ7)

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ざっと説明すると顔を顰める兄と、秘書の方

すぐさまパソコンを弄り始め、
何かを探している様子

秘書「…………いませんね、」

『……えっ……？』

くるりと画面の向きを変え、
そこに映し出されているのは会社の前の
防犯カメラの映像

秘書「……通りまで見えるこちらのカメラでも
伊藤さんが手紙を渡されている様子はありません

……エレベーターの直前でポケットから出しています」

この秘書さんは仕事が早い

さすが兄が選んだだけあるなぁ……なんて少し感心する

兄「……と、いうことは、犯人は伊藤か…………」

あっさりと分かってしまった犯人に
ちょっと拍子抜けしてしまう

兄「……まぁ分かったのは良かったけど、
しばらくは泳がせてみよう

決定的な証拠を見つけるまでは……」

そう、この映像だけでは少し弱い

もう少し前で手紙を受け取ったのかもしれないし
とにかく決定的な証拠を見つけなければ

下唇を噛み、少し悔しそうな兄を
落ち着かせるように微笑んでみる

『……大丈夫、涼太がいるから』

そう言うと、ぶわっ、と効果音がつきそうな程
勢い良く溢れ出る涙にぎょっとする

兄「…………片寄くん、いい子だけど……！
くっ……悔しい……っ！」

…………どうやらただの嫉妬心らしいので
放っておこう。

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