Forget-me-not 2 (ページ13)

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ついにきた決戦の日

パーティー当日

母と選んだドレスを身に纏い、
鏡の前で最終確認

最後に涼太から貰ったブレスレットをそっと撫でる

『……よし、』

胸の前で小さく拳を握り、
気合いを入れて会場へ向かった

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大きなホテルを貸切で行う、大きなパーティー

ロビーで兄と待ち合わせて会場に一緒に入ると、
さすがは如月社長、有名な起業家から政治家、
ありとあらゆる分野の有名人がずらり

あまり詳しくない私でも分かる方々で
溢れかえっている

挨拶をしながら徐々に如月社長の方へ向かうと、
ちょうど父と話をしていた

『社長、お久しぶりです』

「お！Aちゃん、
今ちょうど君の話をしていたところだよ！」

めでたいねぇ、なんて父に話していて
私にはなんの事だかサッパリ

「何のお話ですか？妹のことなら
尚更気になりますね」

「君も相変わらずだね(笑)
そんなんじゃ先が思いやられるね(笑)」

兄と顔を見合わせて互いの頭に
ハテナが浮かんでいるのが分かる

『……えっと、……なんのことでしょう、』

「Aちゃん、婚約したんだって？」

それで思い出すのは直哉さんのこと

とっくに終わっていることだし、
実の所、破談にさせる手筈だった為、
最初から招待状も送ってなかったらしい

だから知られているはずはないと思うけど…………

『え、と……それは、』

「A」

突然降りかかった低い声にビクリ、と肩が揺れる

恐る恐る声のする方を向くと
口角は上がっているが、私には分かる

この顔は怒気を含んでいる

『………………、』

「いやぁ、娘は照れ屋で……すみませんね」

「いやいや、いいんだよ
まだ正式に発表したわけじゃないのに
急に言ってしまって驚かしちゃったよね」

私が何も言えずに黙ると都合のいい方向に持っていく父

「…………どういうことだ……？」

兄の口から小さく漏れた言葉に
不安が募っていく

「おぉ、ちょうどいい、達也くん」

父が私の後ろを見て手招きする

振り返るとそこにいたのは…………

『……伊藤、さん』

少し不気味に笑う伊藤さんの姿だった

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