Forget-me-not 2 (ページ12)

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「行ってきます
何かあったら……すぐ連絡して」

『ん、分かってる

……頑張ってね』

前乗りで行く涼太とランチを共にして
そのまま送り出す

段々と小さくなっていく背中を見送って
小さく息を漏らす

『…………よし、』

戦闘の準備を始めよう

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『お兄ちゃん、どう？』

「……今のところ動きはないな」

『そっかぁ……柴田は？』

「……………いえ、何も」

明日へ向けて、下調べ中の私たち

でもこれといった収穫はない

パーティーに参加する、と仮定するならば
どこの繋がりなのかを調べたかったのだが…………

柴田が調べて分からないなら
伊藤さんは………白？

「明日はお兄ちゃんの傍を離れるなよ！！」

ドヤ顔でそう言う兄はとことんシスコンだなぁ
なんて少し呆れ笑いを零す

家に戻り、かけてあるドレスを眺める

母がゴリ押ししてきた淡いイエローのそれは
胸元に散りばめられたストーンが
キラキラと輝いている

ヴーヴー

鳴り響くバイブ音にぴくりと肩を揺らす

ディスプレイに表示されるのは" 涼太 "の文字

『もしもし、』

「A？どう？変わりない？」

『ふふ、まだ3時間しか経ってないよ？』

きっと新幹線を降りた頃なのだろう
すぐに連絡をくれた涼太が愛おしくて笑みが零れる

「A、リビングの棚の
2番目の引き出し見て？」

『ん？う、うん分かった』

時間がない涼太はそれだけ言い残して
早々に電話を切った

忙しいならかけなくてもいいのに…
なんて緩んだ顔で真逆のことを思ってしまう

『リビング…引き出し…』

言われた通りに開けてみると
そこにはリボンのついた小さな箱

手に取ってみると見計らったかのように通知音が鳴る

" Aにプレゼント
明日、俺の代わりに傍にいるよ "

ゆっくりとリボンをほどき震える手で箱を開ける

『……可愛い、』

2連になっていて、ところどころにダイヤが輝き、
シンプルで普段使い出来そうな
デザインのブレスレットが入っていた

『……涼太、ありがとう』

いよいよ決戦は明日

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