Forget-me-not 2 (ページ1)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:8,648 hit

Forget-me-not ページ1

.

父「…………済まなかった、」

母「まぁまぁ、知らなかったんだから」

兄「片寄くん、お疲れー」

全て終わったよ、と兄から軽く説明を受けてから、

青ざめた顔で頭を下げる父を初めて見て
少し慌てると、それを笑顔で宥める母

母そっくりの性格な兄は呑気に涼太に挨拶

…………あれ、ここ知り合いだったっけ？

その想いが表情に出ていたのか、
涼太は優しく笑い、頭を撫でる

父「……ごほん、」

軽く咳払いした父に、慌てて離れると
兄と母は後ろでニヤニヤしている

……もう1人の兄は、父にそっくりで厳格だけど
この兄は楽天家な母そっくりだ

父「……まぁ、今日はゆっくり休みなさい」

『……はい、ありがとうございます』

ゆっくりと頭を下げると、

「…………あのー、」

と、申し訳なさそうに隣から聞こえる声

顔を上げて涼太を見ると、
真っ直ぐに父を見つめていた

その強い瞳に思わず見惚れる

「……このあと、Aさんお借りしてもいいですか？」

そう言った涼太に、父は驚くと共に動揺が走り、
一気に狼狽える

父「…………片寄くん、今回のことは本当に感謝している、

だが………………母「あら、いいじゃない、好きに持って行ってー♡」」

どうやら、父のハードルは高そうだ

それをすんなり躱してくれる母には
感謝しかない

「ありがとうございます、A？行こ？」

差し出された手をきゅ、っと握り
微笑む涼太に、私もやっと微笑みを返す

手を引かれるまま、やってきたのは
通い慣れた涼太の家

扉が閉まると共に痛いくらいに抱きしめられる

「…………おかえり、」

『……ただいま……』

そっと抱きしめ返すと少し震えてる肩

『…………言えなくて、黙っててごめんね

迎えに来てくれて……ありがとう』

そう言うと、更に強くなった気がした

.