直筆《川村壱馬》 (ページ8)

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Kazuma side

待ち合わせ場所に着いたのは、9時40分
20分も早く着いてしまった

『‥流石にまだ来てへんよな』

先に中に入るのは、なんだか気が引けるので

壁にもたれかかる

そして、昨日の、Aちゃんとの、
やり取りを見返す

俺の、おやすみスタンプの後に

猫のおやすみなさいという、スタンプが来た

Aちゃんは、 LINEの返し方が凄く丁寧で
なんだか、気が合う

そんなことをしていると、少し遠くの方から、
女の子が歩いてくるのが見えた

「あっ、‥壱馬くん、おはよう、もう着てたんだね、待った‥？」

入り口の壁にもたれかかっている俺に気付き
走って入り口まできた、その女の子は

俺が今日一日を一緒に過ごす子だった

『‥お団子、なんやね』

ケバケバしてへん、シンプルな格好に
お団子、いつもちゃんと、手入れしとるんやろうなあと思わせられる、綺麗な肌

思わず出た言葉に
Aちゃんは、少し焦る

「‥えっと、似合わなかった、？」

その反対だ、いつもは、ひとつに結んでいる
Aちゃんの、綺麗な髪は、

今日は、綺麗に上にあげられていて、陽の光に当たり
少し、茶色がかっていて、Aちゃんに
とても、似合っていた

『んーん、似合っとるよ、かわええ』

可愛ええと、素直に言うと、

よかった‥ありがとうと、ふにゃあっと笑った

ああ、なんか、この子は学校と外じゃこんなにも、
違う顔なんやなと思った

「入ろっか」

じーっと見ている俺に、Aちゃんが
声を掛けて、俺たちは、店内に入った