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「宮おとうとー、数学の課題集めとってや」
パタパタと近づいてくる数学の担当教師。
課題を職員室まで持っていかんといけんらしい。
学級委員なんてやるもんやないなと課題を集めながら思う。
いや、やりたい奴にやらせりゃええのに。
お互いのことをよく知らないだろうという配慮らしく指名されたけどはずれくじを引いた気分や。
「数学の課題出してなぁ、集めるでー」
「おれやってないわー!」
「あほか、自分で謝り行って補講受けてこい」
休み時間で各々喋ったり自習をしたりとのんびり過ごしてるクラスメイトに声をかけていく。
「むつみー!取り来てーー!」
「甘えんな、自分で持っといで」
えー、と文句を言いながらもどんどん腕の中に溜まっていく課題。
もう一人の学級委員の子が近寄ってきて手を差し出してくれるが細っこい女の子に持たせたくない。
お前も大して変わらんやろと脳内で茶々を入れてきた稲荷崎バレー部悪ノリ組は手で追い払う。
大丈夫や、ありがとな。お礼を言いつつ断れば全力で首を振りながら去っていく。
首取れそうでこわいな…。
「睦、持ってくの手伝おか?」
「大丈夫や、ありがと平介」
こちらも一緒に持ってくと申し出てくれた平介。
バレー部同士仲良くやれてるんやないやろか。
真面目すぎるとこはあるけどそこがええとこやし稲荷崎に必要なもんかもしれん。
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作者名:來 | 作成日時:2019年3月2日 22時