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小学校、中学校は受験せんで地元に進学したおれにとってはじめてである受験を終え、兄たちと同じ高校の入学式に参加してはや一ヶ月。
部活もバレー部へと入部し強豪らしい厳しい練習に励む日々を送ってる。同じポジションの赤木さんには自分で言うのもなんやけど結構可愛がってもらえとるし、兄と比べたらいい後輩レベルじゃ圧勝できとるし。えぇか、性格が悪いんやなくて事実を述べとるだけや。そこは勘違いせんといて。つむにいとはちゃうから。
「むつみ、レシーブ練しようや!」
その厳しい部活を終えて水分補給をしとったら赤木さんから自主練のお誘いをいただいた。断るはずもなく、もちろんですと小走りで駆け寄る。さっきまで肩にのしかかっとった兄は、スパイク打ったると我らがセッター様を呼びに行った。
「今日もレシーブよかったで。このままやとレギュラー取られそうで怖いわ」
「まだまだですよ。でも赤木さんには負けてられへんですから」
「生意気やなー!」
言うようになったやんとわしゃわしゃ頭を撫でられる。
高校入学と同時に染めた髪はミルクティーみたいなキャラメルみたいな美味しそうな色になっとる。
結構気に入っとるんやけど染め直しがめんどくさい。
「ムーちゃん。お兄様たちが練習付き合ったるわ」
レシーブのアドバイスを赤木さんにもらっとるとそこへ颯爽と現れた金髪。我らがセッターつむにいのご登場。
までは良かったんやけど、お約束のように偉そうやなとさむにいに文句を言われたつむにいは食ってかかる。毎度毎度よう飽きひんなぁと赤木さんと傍観しとるとバレー部のボスと目が合ってしもうた。
やばいわ、めっちゃ目ェ据わっとった。
「この短足豚!!」
「性悪豚!!あとこの前オレのプリン食うたのお前やろ!詫び入れろや!」
「いつの話やねん!細かいんやお前は!」
「細かくないわ、つい最近の話やし。お前が大雑把過ぎるんやろ!」
こりゃ怒られるなと、顔を見合わせていると近づいてくるボス。
気づく様子のない双子。息を呑んで見守るリベロ2人。
正論パンチに打ちのめされるまで、あと……
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作者名:來 | 作成日時:2019年3月2日 22時