両思い。【磯貝悠馬】Part2 (ページ33)

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両思い104日目ページ33

「さて、それでは烏間先生達の生存確認戻れたところで」

トランシーバーを1度置いた殺せんせーはニヤリと笑う。皆は不思議そうにそんな殺せんせーを見上げた。

「何するの？」

「いつまでもここで捕まっていても何も変わりませんからねぇ。少し死神と遊んであげましょう」

殺せんせーは自信満々にそんなこと言うけれど、正直あまりピンと来ない。檻の外には出られないし、何かあればきっとすぐに首の爆弾を発動されてしまう。一体殺せんせーは何を考えているのか。

そんなことを思った矢先だった。

「イトナ君、どうですか？」

先程から檻の隅で何やら手を動かしていたイトナ君に殺せんせーは声をかける。振り返った彼の手には

「やっぱり、思った通りだ」

首に取り付けられていたはずの爆弾が握られていた。

＿＿＿＿
＿＿

「ちょ、お前動くなって！」

「しょうがないでしょう！？」

「ごめん悠馬、重くない？」

「大丈夫だよ、そんなこと気にするな」

横から聞こえる前原君とひなたちゃんの相変わらずなやり取り。私も自分を肩に乗っけている悠馬が心配になって思わず尋ねた。

さて今現在私達は、まるで忍者のように壁に張り付いている。何時までもここにいては、死神に有利な状況を作るだけ。そこであたかも私達がここから逃げた……かのように見せる方法がこれだった。

＿＿＿＿＿ﾊﾞｧﾝ!!

破裂音を響かせ檻の真ん中に置かれた首輪が爆発する。続いて2、3個爆発のスイッチが入れられたということは、きっと死神がこの部屋の状況に気づいたのだろう。少なからず焦っているのが手に取るようにわかる。

「首輪のリモコンは、起爆命令と解除だけ。簡単な構造だから、乱暴に外しても起爆しないしやつにもバレない」

さっきイトナ君が調べていたのはあの首輪の仕掛けについてみたいだ。機械いじりにはめっぽう強いメンバーが居たおかげで、全員が仕掛けの隙をつき爆弾を解除することに成功している。その上、

「保護色になって壁と同化。光の具合もバッチリだ！」

「監視カメラには三村の言う通り、正確に見えない場所がある。あとは菅谷がスプレーで！」

「マジ使えるよ、超体育着の暗殺迷彩。壁の色そっくりに変えられるぜ」

「全く、ラジコン盗撮の主犯共が大活躍とはね……」

ドヤ顔をする芸術組のメンバーにメグちゃんは呆れながらも感心したように笑う。そう、今現在私達は、壁の色と同化した超体育着て、肩車で壁全面に張り付いているのだ。