両思い。【磯貝悠馬】Part2 (ページ22)

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両思い91日目ページ22

「さて、ここからが正念場だ」

作戦会議の通り、3班に別れて中の捜索を行う。私が任命されたのはA班。死神との戦闘を目的とした班だ。

ナイフ術上位の前原君と悠馬、私とひなたちゃん、そしてスナイパーコンビ。俊足の木村君と、耐久要因としての村松君吉田君。それに渚君、カルマ。最後に連絡係兼補佐役のカエデちゃんだ。

ちなみに他の班は、ビッチ先生の救出をするＢ班。身体能力やスキルの高い杉野君とメグちゃんを中心に、特にビッチ先生と仲の良かった女子や男子をメインに構成されている。

もう1つは脱出経路の確保の為に情報を集める偵察班。体格のいい寺坂君を筆頭に、機械に強い糸成君や理科に強い奥田ちゃんに竹林君など、様々な面での活躍が期待できるメンバーが中心だ。

「聞こえるかな、E組の皆。実はね、君達が逃げてとても嬉しかったよ！未知の大物の前の肩慣らしだ。期待してるよ」

突如聞こえたスピーカーの声からは、まるで動揺した様子は聞き取れない。私達が逃げ出したことなんて、死神にはなんてことないのかもしれないと痛感した。

「まるでゲーム感覚…」

凛香ちゃんが悔しそうに呟く。少しだけ、不安の色が漏れ始める。だけどそれを振り払うように息を飲んで、また死神を探すべく歩き出した。

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No side

ブラジルの街中、ある公園のベンチ。不自然に巨大な男がテスト問題制作ノート、と書かれた手帳を見てブツブツ呟く。

「うーん、7対1」

その言葉に反応して男が2人、睨みつけるように巨大な男を振り返る。

「ｘとｙを7対1にすると美しい問題になりますねぇ。7対1…」

それに気づかず、ブツブツ呟く巨大男。いつの間にか公園にいたブラジル人全員が怒りを孕んだ目でやつを睨みつけていた。しかし、変わらず呟き続ける巨大男に痺れを切らし

「てめぇー！ふざけんな！」

「喧嘩売ってんのか！！」

とうとう殺しそうな勢いで襲いかかった、

「にゅ、にゅやぁぁ？！何やら現地の方を怒らせてしまいました！特殊な事情があるのでしょうか…サッカーに詳しい前原君に聞いてみましょう！！」

音速で避けながら、ポチポチとボタンを押して1人の教え子に電話をかける。しかし

『ただいま電波の届かない場所にいるか…』

流れるのは無機質に連絡不可を告げる声。

「にゅや…？磯貝君は？ひなたさん、寺坂君も…」

誰にも繋がらない携帯電話。

「胸騒ぎがします…」

嫌な予感を抱いたまま、超生物は空へ飛び立った。