両思い。【磯貝悠馬】Part2 (ページ13)

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両思い82日目ページ13

「別に普通だよ、一緒に出かけたり、話したり」

「えー！それだけなの？！手繋いだり、キスしたりは？」

止まらないカエデちゃんの追撃に思わず顔に熱が集まった。渚君も前原君もいる前でなんてこと聞いてくるのこの子は…！！

「手は繋ぐ時はあるけど…」

答えた声は恥ずかしさから凄く小さくて。けど？なんて聞き返されるも、それ以外は、とだけ答えた。…ダメだ、恥ずかしくて皆の顔も悠馬の顔も見れない。

「ま、まあ茅野、あんまりAをからかわないでやってくれ」

「そうそう。こいつら純粋なんだから俺達は見守ってやらないと」

固まる私を見兼ねてか、イケメンコンビが助け舟を出してくれる。いい話が聞けると思ったのに、なんて少し不満を漏らしていたけれど、カエデちゃんもそれ以上話す気はないらしかった。

「にしても、もうE組なってから結構経つのにカップルは1組だけか〜。色気の無い教室だぜ」

「前原君はいっぱい話あるんじゃないの？」

「俺の事はどうせ聞いてもつまんないだろ。そろそろ他にも進展があってもいいと思うんだけどなー…ってん？」

ブツブツ話していた声が不意に止まる。ツッコミを入れていた渚君がどうしたの？と訪ねると、彼はあっち、と1つの方向を指差した。

その先にいるのは桃花ちゃんにひなたちゃんに陽菜乃ちゃん、そしてビッチ先生の女子4人組。
なにやら女子トークが開催中だ。

話を聞くに、どうやら新戦闘服についてビッチ先生がデザイン案を出したものの、烏間先生に却下されたみたいだ。…実物を見てないけれど、何となくビッチ先生案じゃなくて良かったと思ったのは内緒にしておこう。

「あいつ女心わかってないから。……結局私にはプレゼントくれなかったし」

ボソッと、不満げに吐かれた言葉。
そのまま校舎へ入るビッチ先生を不思議そうに皆で見ていると、桃花ちゃんがあ！と大きな声を上げた。

「どうしたの？」

「思い出した！4日前の10月10日！」

「「あ！ビッチ先生の誕生日だ！！」」

その言葉に、私達も納得したように声を上げる。ビッチ先生、烏間先生からの誕生日プレゼントを待ってたんだ。

一部始終の会話を理解し、前原君が何かを思いついたようにニヤリと笑う。

「これはE組カップルを増やすチャンスかもしれない！」

彼の本心は、下衆な考え。だけどそれに気づかない陽菜乃ちゃん達は私達で協力しよう！なんて盛り上がっていて。

不安になりつつも上手く行きますように、と心の中で呟いた。