両思い。【磯貝悠馬】 (ページ48)

今日:10 hit、昨日:4 hit、合計:39,181 hit

両思い69日目ページ48

「あたし達ももっちりとビンタされたよ。全員平等に扱わないと不公平になるからって」

笑いながら言う原さん達に、ごめんね、と私も謝罪の言葉を告げる。そんな落ち込まないの、とカエデちゃんが子供を抱えながらも私の肩を叩いた。

「他人に怪我とか、予測できなかった私達も悪いし」

「そうねぇ、私にも監督責任あるかもね。こいつら面白サーカス団の調教師として」

「「あぁ？！」」

聞き捨てならない、という様に狭間さんの言葉に反応する村松君と吉田君。彼らもやっぱり子供達のおもちゃにされていた。…ここ、割と活発な子が多いみたい。

私も足に抱きついてきた女の子に目線を合わせ、にこりと微笑んでみせた。

「ま、勉強なんて家でこっそりやればいい。E組の秘密を守るための条件として、2週間のタダ働きか。賞金に対するコストと思えば、安いものさ」

メガネをクイッとあげながら、カッコよく決める竹林君。だけど…

「竹林、パンツ一丁じゃなきゃ、いいこと言ってるのに…」

…やっぱり、やんちゃな子が多いみたい。
ははは、と苦笑いする私達に、ピンク髪の女の子が近づいてきた。

「んで、何やってくれるわけ？おたくら。大挙して押しかけてくれちゃって、減った酸素分の仕事くらいはできるんでしょうねぇ？？」

((((中々とんがった子もいらっしゃる…！！！))))

だいぶ上から目線に話しかけてくる子に、思わず固まってしまう私達。すると後ろの方でコソコソと、男の子達の話し声が聞こえてきた。

「やべー、さくら姉さんがご機嫌ナナメだ」

「あぁ、殺されるぞこの兄さん達」

「入所5年の最年長者。学校の支配を拒み続けること実に2年！」

「エリートニートのさくら姉さんに…！！
」

「…お前ら、急にスイッチ入ったな」

「かっこよく言ってるけど、不登校だろ要するに」

村松君と吉田君と遊んでた男の子達の豹変ぶりに、またもやポカーンと口を開ける私達。そんな様子に苛立ったように、さくらちゃんは箒を剣のように持ち出した。

「まずは、働く根性あんのかどうか、試してやろうじゃないの！！」

そう言って何故か渚君の方へと近づくさくらちゃん。けど

「覚悟しな…っいってぇ！！！」

ドン！と大きな音と共に、さくらちゃんが踏み出した床が派手に抜ける。

「あーあ、そこの床ダメなのにー」

呑気に言う男の子達を他所に、打ったおしりを涙目で押えていた。