両思い127日目 ページ7
磯貝side
「あれ、多分沖縄で出会った人だよ」
そう教えてくれたのは茅野だった。接客が一段落したらしく、玄関の階段によいしょと腰を下ろしてAの方を見つめる。ピンとこない俺達に茅野は続けた。
「Aちゃん、沖縄で男の人と話してたって言ったでしょ？その人」
「潜入先のホテルか」
「そう。まさか学校に来るとは思わなかったなー」
まあそれは渚の方もそうだけど、なんて茅野は茂みに目を向ける。そっちでは同じく沖縄で知り合ったらしい男の子を渚が女の子姿で接客中だ。
「距離近くない？あの2人」
「あの男の人グイグイ行くね.....磯貝君、大丈夫？」
余裕ぶって頷いて見せたけど、正直胸の内は真っ黒で。あの仲に入って引き裂いてやりたい、なんていつもの俺らしくない考えまで浮かんでいた。
「Aちゃんは困ってるのが救いだけどね。早く帰らないかな。磯貝がぶちギレる前に」
「別に怒らないよ」
「嘘つけ。さっきから目が怖いよ、委員長」
「ほんと。バレバレだよ」
たまたま通りかかったらしい片岡にまでそう言われる始末。ちょっとは隠す努力もしなよ、なんて鼻で笑って去るカルマに、俺も面倒くさいやつだな、と苦笑が漏れた。
＿＿＿＿＿
＿＿＿
「あの……」
「どうしたの？」
「そろそろ私、他の仕事しなきゃ……」
倭さんが来て数十分。気まずいながらもそう切り出せば、彼は寂しいな、なんて甘えたようにつぶやく。そのままぐるっと回りを見渡して
「ね、あれはなんだい？銃持ってるけど」
私に訪ねてきた。
そこに居たのは、京都旅行の時にお世話になったスナイパーさん。仕事用の銃を隠さず狩ってきたキジを烏間先生に渡している。
「え、えっと……地元の猟友会の人……」
苦し紛れな言い訳をとりあえず述べる。ふーん、と興味無さそうな倭さんの視線はまた別の方向へ。
「あの人は？」
……ロ、ロヴロさんっっ！？どうしよ、えっと……
「ま、マイルド柳生……浅草演芸場の重鎮らしいんだ……」
あまりにも不自然すぎる。冷や汗をかきながらボソボソと話す私に、倭さんはやっぱり興味なさげに頷いた。
「ところで」
信じているのか居ないのか、定かではないが倭さんはあまり気にしていないらしい。なんだか腑に落ちないところはあるけれど、彼の少し適当らしい性格に感謝だ。
「Aちゃんはさっきから僕より彼らが気になるみたいだね？」
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こころ(プロフ) - 更新ありがとうございます¨̮♡ このシリーズが大好きで、何回も読み返させてもらってます！ これからも応援してます⚐ﾞ (4月9日 21時) (
レス) @page32 id: 48cae749d2 (このIDを非表示/違反報告)
めめはし(プロフ) - 切ない、、すごく面白いです！！更新頑張ってください！！応援してます(*^^*) (4月1日 3時) (レス) @page28 id: b5191071e5 (このIDを非表示/違反報告)
たに - 心情の描写が細かくて面白いです！！更新頑張ってください！ (3月1日 21時) (レス) @page28 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - 久々の更新待ってました！ (1月23日 0時) (レス) id: 0239a939e2 (このIDを非表示/違反報告)
misaki(プロフ) - ほんとに面白いです。続きが気になりすぎます！！更新楽しみに待ってます！ (1月3日 0時) (レス) id: 0665649a62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ангел | 作成日時：2022年10月10日 18時
