両思い124日目 ページ4
「子供用にちょっとだけ食べやすくした。山椒とか抜いてあるから、きっとあのチビ達でも食えるぜ」
ご丁寧にフォークとスプーンも用意して出してくれるものだから感謝しかない。将来はお客様思いのラーメン屋になりそうだね、と笑って見せれば当たり前よ！と胸を張る。
こういう行事はクラスメイトのいい所を沢山見つけられるのも醍醐味だ。
「3人とも、どーぞ！」
大人しく座って待ってくれていた3人の元へつけ麺を届ければ、いただきますもそこそこに素早くかぶりつく子供達。相当楽しみにしてくれてたんだ、とその反応だけで嬉しくなった。
「おいしーい！！」
「もっと食べる！！」
「なるもこれ好きー！」
口々に叫びながら食べる3人をニコニコと見つめる。さくらちゃんや園長先生達もどうやら気に入ってくれたみたいだ。
「本当に美味しい、渚！こんだけ美味けりゃ売れてんでしょ？」
「それが苦戦しててね.....。いいもの作っても、大勢の人に伝えるのが難しくって」
困ったように笑った渚君と目を合わせる。そんな私達にさくらちゃんはふーん、とつまらなそうに相槌を打った。だけどそれは一瞬で、すぐにパッと明るい笑顔に変わる。
「でも心配いらないでしょ！渚達は不思議な力持ってるじゃん」
「あぁ。日頃の行いが正しければ、きっと皆に伝わる」
「大丈夫だよ、Aねぇ！」
強気な笑顔で言う皆に、本当にそうなるんじゃないかと思えてきてしまって。2人でうん！と元気に頷いた。
どんぐりつけ麺を食べ終わって、デザートもしっかり堪能して。帰っていく施設の皆を見送った後は、また新しく来るお客さんの接客。客数は多くなくとも忙しなく時間はどんどん過ぎていく。
あんまり客数は多くないとはいえ、メニューの評判はかなりよく1人あたりの注文数が何気に多い。私達ホールスタッフもてんてこ舞いだ。
「次、これ持ってって！」
聞こえる指示に従って料理を受け取りに走る。どんぐりつけ麺とゼリーが乗ったお盆を手に伸ばした時、ちょうど同じタイミングで反対側からも手が伸びた。
「……あっ」
「……」
反射的に出した手を引っ込める。もう片方の手の正体、メグちゃんもピタリと動きを止めた。
周りは賑やかなのに、私達の周りだけは不自然に音が無くなったみたいで。その気まずさに、思わす目をそらす。
メグちゃんの気持ちを知ったのはもう一週間も前なのに、それ以来私達はずっと話せずにいた。
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こころ(プロフ) - 更新ありがとうございます¨̮♡ このシリーズが大好きで、何回も読み返させてもらってます！ これからも応援してます⚐ﾞ (4月9日 21時) (
レス) @page32 id: 48cae749d2 (このIDを非表示/違反報告)
めめはし(プロフ) - 切ない、、すごく面白いです！！更新頑張ってください！！応援してます(*^^*) (4月1日 3時) (レス) @page28 id: b5191071e5 (このIDを非表示/違反報告)
たに - 心情の描写が細かくて面白いです！！更新頑張ってください！ (3月1日 21時) (レス) @page28 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - 久々の更新待ってました！ (1月23日 0時) (レス) id: 0239a939e2 (このIDを非表示/違反報告)
misaki(プロフ) - ほんとに面白いです。続きが気になりすぎます！！更新楽しみに待ってます！ (1月3日 0時) (レス) id: 0665649a62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ангел | 作成日時：2022年10月10日 18時
