新人アイドルの恋事情 3th (ページ6)

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Ninety-seven ページ6

「凄いね……IDOLiSH7、この前のライブがかなり話題になってる。ラビッターで皆のファンだって言ってる子もかなりいるよ」

「それを言うならAもだよ。最近毎日仕事舞い込んできてるし、ドラマもクランクアップ目前で好評。ラビッターのフォロワーもすごい勢いで増えてファンの声も目立ってきたな」

小鳥遊事務所にて。今後の仕事スケジュールの確認として集まった流川さんと私は2人して目を丸くさせながらスマホを覗き込む。

@aaa__
歌番見てAちゃんのファンになりました！まだ日は浅いけど大好きです！

@bbb__
フェスめちゃくちゃ可愛かった！応援します！

急激に増えてきた応援コメント。目に見えて私を応援してくれる人が増えていて、それがとてつもなく信じられなくて、そして嬉しい。

「こんな私を応援してくれて、好きって言ってくれる人がいるんだね……なんか、幸せ過ぎて怖いくらい」

「Aはずっと研修生として頑張って来たんだ。努力が実ったね」

「好きになってくれた人が、がっかりしないように……。もっともっと頑張らなきゃ！」

ルンルン気分で出演予定の台本に目を移す私に、流川さんは優しげに、少し儚げに微笑む。そんな彼に気づかずこの企画楽しそう！なんてはしゃいでいると、何やら廊下から騒がしい声が。

「Aさん、流川さん！おはようございます。もういらしてたんですね」

「おはよう、A！」

「グッドモーニング、マイプリンセス」

入ってきたのは万理さんとお馴染みIDOLiSH7のメンバー御一行。私達は今日社長にお話があると言われ呼ばれているけど、彼らも彼らで今日は打ち合わせをする予定らしい。

「双葉さんはもちろん、IDOLiSH7も凄い盛り上がりを見せているよ。ほら、ネットで話題になってる」

大人数で集まってガヤガヤとした部屋で、話題はやはりと言うべきか先程まで私達が話していたこと。駆け出しの私達がこんな幸運に恵まれて、事務所としても絶好のチャンスだと言わんばかりに万理さんの目が輝いている。

「台風情報のついでって感じだけどね。衣装はびしょ濡れになったけど、やってよかったね」

「本当だ。動画もネットに上がってる。テレビ中継も来てたらしいな」

「マジで？俺、映った？」

「一瞬だったみたいだから、どうかな？」

ずい、と身を乗り出して期待のこもった目を向けてくる環くんに曖昧に答えれば、えー、と口を尖らせる。そんなどこか子供らしい彼の姿に皆がクスリと頬を緩めた。