Onehundred-eight ページ17
「そういえばAさん、社長とは何を話されていたんですか?」
ライブであの歌を歌いたいなぁ、とか、昨日は寮でこんなことをしたんだよ、とか。緩い雑談も盛りあがって来た最中。ふと思い出したように一織君が聞いてくる。
「ふふん……聞きたい?あのね、凄く嬉しい事があったんだ」
ニヤリと笑って勿体つけてみせる私に、なになに!?とすごい勢いで食いついてくる陸君。一織君が静かにして下さい、と宥めるけれど、向かい側の環君も教えろよー!なんて騒ぎだすから鎮めるのを諦めて息を吐いた。
「実はね……CDデビュー、させてもらえることになったんだけ」
えへへ、なんてはにかみながら、3人の様子を伺うように顔をのぞき込む。少しの沈黙が流れ、その後。
「「えーーーーー!?!?」
環君と陸君の大声が寮に響き渡った。
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「いやー、まさかCDデビューとはな……!」
「流石はワタシ達のプリンセスです。コングラッチュレイショーン!!」
しみじみと呟く三月さんに続いて、ナギさんが両手を広げながら盛大に叫ぶ。ありがとうございます、とお礼を伝えてグラスに入ったりんごジュースを1口飲んだ。
机に並ぶのは三月さん作の自慢の料理達。私のデビュー発表を聞いて一緒にお祝いだ!とあの後すぐに出来る料理を何品か追加してくださったのだ。
「A、本当におめでとう!わぁ、なんか夢みたいだ……」
「お前がデビューするわけじゃないだろ、リク」
「でも嬉しいよな!同期がデビューするって、なんか俺らも鼻が高い感じ!」
引き続き斜め前に座る陸君が感動したように目を輝かせる。そんな彼に笑う大和さんも、手にはお酒の入ったグラスを持ってご機嫌だ。
正直、皆より先にデビューすることを言うのは少し怖かった。だけど、目の前の彼らはこんなにも自分の事のように喜んでくれる。人の喜びを素直に祝える彼らが、とても真っ直ぐで心優しい人達なんだと改めて実感した。
「ありがとうございます。皆にそう言って貰えるとよりやる気が出てきますね!」
「デビューライブはどこでするんですか?」
「んっとね、東京つつじホールってとこ」
「つつじホール!?……って、5000席くらいある大ホールじゃないか!」
「そうなんです……だからちょっと不安で」
一織君の質問に答えれば、壮五さんが驚きの声を上げる。ちなみに環君は向かいのお誕生日席へと移動して行った為、今左斜め前は壮五さんが座ってます。
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なのは(プロフ) - 更新楽しいです! (2022年3月1日 3時) (レス) id: 60efdb9fc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ангел | 作成日時:2022年2月20日 22時