我が身にたどる女王【ツイステ】 (ページ12)

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「やっほ〜、エーデュースちゃん達はそんな所で何話してるの〜？」

「「うわぁっ！」」

オレとデュースが揃いも揃って大声を上げた様はさぞ滑稽だっただろう。話に熱中しすぎてケイト先輩とトレイ先輩が近付いて来ていたのに気付かなかった。

「こらこら、秘密にしたいことかも知れないだろ？」

「そんなこと言って〜。トレイ君も気になっちゃうんでしょ？」

「……まあ、ちょっとはな」

「で〜？こういう行事の時に二人きりって珍しいじゃん。なになに〜？もしかして恋バナとか……？」

オレは思わずデュースと目を合わせた。

「まあ…そんなところッスかね……」

「えっ、マジ？！当たっちゃった？！」

この二人に言うべきか否か、今、すごく迷ってる。言いふらすような人でもないだろうが、なにぶんこういった話には二人とも興味がありそうだから不安だ。

「おいっ、言うのかよ？！」

「オレらでどうにかなることでもないでしょ？！」

とにかく、誰かに話したかったのかもしれない。オレ達だけの中で昇華するにはあまりに大きな問題だと思うし、その上ユウにまつわる事だから、無視する訳にもいかない。

「……そう、だな。……ノータッチのままにしておける事でもないしな」

デュースも同じ考えらしい。

「あの、誰にも言わないでくださいよ？実は……」

周囲に誰もいないのを確認して、オレ達は事態を説明した。

ーーーー

「それなのに、こんなことになるなんてさあ！」

「エース、俺も甘かった。みだりに他人に言うべきことじゃなかったよな」

翌朝教室に入った途端、クラスメイトの談笑の声から聞こえてきたのは『オンボロ寮』『女』などという言葉だった。焦って廊下や他学年のフロアに行ってみても、状況は1Aと変わらない。もうあっという間に学校中に広まっているらしい。

3年の教室にいるケイト先輩を問いただせば『オレとトレイ君が2人で喋ってたのを他の寮生に聞かれてたらしい』と何回も謝られた。ケイト先輩が悪い訳でもないし、これは流石に『事が事だった』と考える他ないのだろう。

しかし、多分あいつらは違う。

「おいっ、エース！」

デュースに呼び止められ、ハッとして教室のドアの方を見遣る。

ドア付近には人だかりが出来ていた。何かと思って近付いてみれば……

「やめろ！知らないんだゾ！さっさとオレ様達を通せ！」

遠くからでも聞こえるグリムの声で状況を理解した。ユウ達が例の件の所為で囲まれているんだ。