Send your feelings (ページ2)

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走ってなんとか時間ギリギリに職員室に着くと、丁度誰かがドアから出てきてぶつかってしまった。

「痛っ！」

勇「あ、ごめん！！」

とっさに支えてくれたのは夏喜くんと一緒でサッカー部の部長の勇征。

「な、なんだ勇征か…。」

勇「なんだってなんだよ～。ってかAが俺より遅いって珍しいね。」

鍵をくるくる回しながら話している。

そう。私はいつも職員室に着くのは1番。対して勇征が職員室に着くのは1番最後。だから私がまず勇征より後に来ることはまずない。

「まぁちょっと色々見ちゃってね…。」

勇「ふーん。まぁ取り敢えず鍵借りてきなよ。先生に怒られるぞ～。」

「そーする。じゃ勇征、後でね～。」

勇「うん！またグラウンドでね～。」

手をひらひらとして走り去っていく勇征を見届けて職員室に入った。

「失礼します。ソフトテニス部部長の木村Aです。鍵を借りにきました～。」

大「はーい！ちょっと待ってね～！」

ニコニコ笑いながらと鍵を持ってきてくれたのは、サッカー部の顧問の先生の佐藤大樹先生。

大樹先生はいっつも部員のみんなと混じってサッカーをする姿がキラキラしている先生人気No. 1の先生。

そして鍵の管理も行っている。

大「はい。これ鍵ね。」

「ありがとうございます。」

大「ねえ。今日どうしたの？勇征より遅かったけどー？」

夏喜くんが告白されているところ見てました～なんて恥ずかしくて言えない！

「えっと、普通に遅れました。」

大「今日ちゃんと学校きてるはずなのに、鍵取りに来ないし、しまいには勇征くるし。心配だったから良かった～！」

ニカっと笑いかけてくる。それにつられて思わず私も笑う。

大「あんなお兄ちゃんみたいになったんじゃないかって少しドキドキしてたからさ～Aは慧人みたいなやつになるんじゃないぞ？」

「大丈夫です。慧人みたいなやつにはなりませんから。笑」

慧人は私の双子の兄。性格は几帳面な私とは正反対のかなりおっちょこちょいで、いろんな意味で先生には有名。

大「ハハ、じゃ、部活頑張ってこい！」

そう言いながらバシバシ背中を叩いてくる。これは大樹先生がいつも私にやることだけど、私は正直痛いし、あんま好きじゃない。

これが彼だったらどうなんだろう…。

ふと頭に浮かんでくる夏喜くん。これが夏喜くんだったらどうなるんだろうなぁ…。

いけないいけない。叶いもしないことを考えても意味がない。

そう考えて小走りでグラウンドに向かった。