【呪術廻戦】巫女と呪術師と呪いの王 II (ページ10)

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怨念　夏油side ページ10

「もしかしたら"彼"が、封印を解いてあげたのかもしれないですね」

彼…？

神主の口から出たその言葉だけが残る

夏油「それは一体どういうことですか？」

聞くだけ聞いてみよう

何か今回の事と関係があるかもしれない

「術式様はこの御神木にまつわる迷信をどこまでご存知でしょう」

夏油「…大昔の連続した大災害を鎮めるためにその時1番力のあった巫女を生贄に

　この御神木に封印したとまでは聞いています」

何度思い出しても胸糞の悪くなるような話だ

その時もし私がその時代にいたなら、
その提案をした奴らを全員皆殺しにしてしまったいたかもしれない

「そうですね…その話には続きがありましてね」

神主は、そっと枯れてしまった御神木に触れた

続き…もしかしたらこの話はAも知らない話かもしれない

「その生贄の巫女様には、最愛の婚約者がいたそうです

　誰から見ても相思相愛で仲睦まじくこれまで暮らしていた2人

　なんの試練かその婚約者は最愛の巫女様を村人たちの手によって
　封印され2度と会えない人となってしまった」

婚約者…最愛、相思相愛…

静かに神主の言葉を聞いた

「その村人達はこれまで巫女様に散々救われてきた人達であったそうです

　治癒の力を使い、巫女様は多くの人を助けた
　それでありながら自分達のこれからのために、巫女様を最後まで利用し捨てた

　婚約者からすればこんな仕打ち許せるものではありません

　婚約者は、巫女様を生贄にした村人達、

　何より何もできず巫女様を救うことができなかった自分を

　恨みに恨み…怨念と化したそうです」

夏油「怨念？」

…何か嫌な予感がする

「同時期に、その時代には呪いの王、両面宿儺という恐ろしい術師がいたそうで、

　婚約者は何をどう取引きを行ったのか

　迷信では両面宿儺から膨大な呪力を受け取ったみたいです」

宿儺？！

あの傲慢主義な両面宿儺が人間に呪力を与えた？！
その婚約者…一体その時何を取引したんだ……

夏油「そのあとはどうなったんですか？」

「さぁ、それからの事はどうやら曖昧で…」

普通なら元々呪力を操れないただの人間が一気に膨大な呪力

を受け取ったなら、体が耐えきれず命を落とす可能性がかなり大きい

だがもし、その呪力を受けてなお、体と呪力が適合したのなら……

嫌な予感がどんどん具体的なものになってきてしまった