【呪術廻戦】巫女と呪術師と呪いの王 II (ページ6)

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・　　　夏油 side ページ6

夏油「はい、これで目元冷やしな？」

少し落ち着いたAに近くの自販機で買った水を渡す

あれからAはしばらくの間、木箱を抱きしめながら泣いていた

いつも笑顔で穏やかなAがその木箱の中身を見て泣いたものだから

その木箱がAにはとても大切なものなんだろうと言うことは
私もさとるにも理解できた

A「…ありがとう」

五条「目パンパンじゃん、せっかくの美人顔が台無し」
夏油「こら、そういうことを言うもんじゃないよ悟」

…全く、悟はデリカシーというものが欠落してる
あれから少し離れた所に移動して３人でベンチに腰をかけていた

A「……あぁ！恥ずかしい！！」

夏油「…！？」

突然大きな声を出したかと思えば、Aは顔を覆ってしまった

紙の間からちらっと見えるAの耳は真っ赤になっていた

Aの左隣に座っていた悟はそれを見てニヤニヤとしている

五条「ははは、ざっと1000歳越えのAさん
　一体何をそんなに泣いていたのか

　このまだ貴方様の10分の1にも見たないしがない

　五条悟に教えていただけませんか？」

A「………五条くんは意地悪よね本当」

…全く、悟は本当に、、、

Aがないている時は驚いてあわあわしていたくせに

すぐ調子のいいことを言うんだから

鼻を少しすすって、少し赤くなった目をパチパチしたあと

Aは口を開いた

A「…私が今までに怪我や病気を治していた村の集落の人たちから
　私に向けた手紙を贈り物よ」

五条「ま、でしょうね」
夏油「………」

少し、悲しそうなでも心なしか嬉しそうな顔をしているA

……でも私はあまりその木箱に入れられたものを快くは思えなかった

Aは言い方を変えてはいるけれど、それはつまり

“Aを封印した猿ども“と言うことだ

私の……心の奥底で、沸々と猿どもへの怒りが湧いてくる

手紙の内容が何かは、昔の字体すぎてわからないけれど想像はできる

どうせ、封印してすまないだのありがとうだの
そんなことだろう

自分たちのせいでAの人生を潰しておいて
謝罪して満足したいだけだろう…

A「………大丈夫」
夏油「……！！」

そうだった、彼女にはもう私の思考回路は筒抜けだった

私が猿どもにムカついているのに気づいたAは
自分の手を私の膝の上にある手に重ねた

…本当に君は相変わらず優しいな