92 ページ48
.
はあ…はあっ…。
息が切れるくらい走って、走って_______。
「おいA！」
名前を呼ばれた気がして足が止まる。
そして声の方を向いた。
『廉…』
廉「どうしたんそんな急いで…？」
『あ…いや、ちょっと……』
廉「電話も出ないし」
『え、嘘…』
急いで携帯を開くと何件か不在着信が入ってた。
『ごめん…全然気づかなかった…』
廉「まあええよ、とりあえず送るから乗って」
助手席のドアを開けられて自然と乗り込む。
廉「で？どうしたん？」
いつもはツンツンしてるくせに、こういうときにこんな優しくしてくれるのはずるいよ。
誰かにこのよくわからない気持ちを聞いて欲しくて、廉にあったことを話した。
廉「……やっぱり……」
『え…どういうこと？』
廉「…紫耀な、病院行く時に言っててん。こんな状況だから二人きりになったらやばいって、自分が怖いって」
『……？』
廉「まあ多分熱のせいで理性飛んでんやろな。
俺もそのこと忘れててさっき思い出してんけど…ごめん」
『そうだったんだ…。廉が謝ることじゃないよ』
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、紫耀は私の事…なんて思ったりしたけどやっぱりそんなわけないよね。あるわけない。
家からちょっと離れたところに車を停める。
『男の人ってそういうとこあるよね…！
もう、困っちゃうよ笑』
廉「……紫耀がAのこと好きやったらどうする？」
『え…？』
もし紫耀が私のこと好きだったら…？
いざ考えるとよくわからない。
廉「Aは…好きな人いる？」
私が好きな人…。
頭の中が混乱する。
『…よくわからないかなそういうの…』
そう言ったとき、ガチャっとシートベルトを外す音がして、本日２度目の廉の匂い。
……ドキドキより、焦りより、一番に思ったのは“落ち着く”。
.
廉「…俺、Aのこと好き」
.
………え、え、今、なんて？
ゆっくり離れていく廉の匂い。
廉「あはは笑 変な顔してるで笑」
笑って私のほっぺをつねる廉。
『いや…その……』
廉「やから、これから少しずつでいいから俺のこと意識して？」
頭が整理つかないまま、とりあえず頷いた。
廉「もう暗いから気をつけてな」
『…ありがとう、廉もね』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 800人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kishiティアラ - 岸くん希望です♪ (2020年3月16日 12時) (
レス) id: 1314a44ccf (このIDを非表示/違反報告)
キリン(プロフ) - シンデレラガールさん» ありがとうございます！なるべく間を開けないように更新頑張るので、これからもよろしくお願い致します！ (2019年3月27日 2時) (レス) id: ade1832552 (このIDを非表示/違反報告)
シンデレラガール - とっても面白いです！いつも更新楽しみにしてます。これからも応援してます！ (2019年3月24日 17時) (レス) id: 9c89617329 (このIDを非表示/違反報告)
キリン(プロフ) - れくさん» ありがとうございます！嬉しいです(泣) 更新遅いこともありますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです！ (2019年3月22日 21時) (レス) id: ade1832552 (このIDを非表示/違反報告)
ゆったん(プロフ) - れんくん希望です！ (2019年3月20日 21時) (レス) id: f06a2cc6b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キリン | 作成日時：2019年2月11日 14時
