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「One two tree…One two tree…！テンポを保ちなさい！」
ﾊﾞﾀｯ
『ｯ…！』
社交ダンスの時間。リズムをとってステップを踏んでいたが、とある拍子に足が縺れて変な方向に曲がり転んでしまう
そんな私を見たダンスの先生は呆れるように深い溜息を吐いた
「…Aさん、クランウェル国第１王女ともあろう御方がこんな簡単なステップも踏めないんですか？そんな訳ありませんよね。さぁ、いつまでも惨めに地面に座ってないで立ちなさいな」
『ｯ…はい』
捻った足首が痛い、けれどここでレッスンが止まれば私が失敗したと両親の耳に入ってしまう。痛みを我慢してレッスンを続ける他ない
正直この状態でも甘く見てもらえている方だと思う。幼い頃…恐らく５歳頃の記憶では、転んだらその分のお仕置が待っていた
社交ダンスのステップを１つでも失敗すれば、頬を打たれる。座学の問題を例え１問でも間違えれば、その問題の応用さえも解けるようになるまで勉強時間は延長される
休憩なんて一切なかった
それもこれも全ては私が両親にとって、完璧な娘になるため
(落ち着け…)
私は一度深呼吸をしてからまたステップを慎重に踏み始めた
私が生まれる昔、両親は自分たちの子供に国を継がせられる“男の子”が欲しかったらしい
母の出産は難産で生死をさまよった時もあったと聞く、その末にお母様は子宮を失ってしまった
けれど…生まれてきたのは“女”である私だった
「One two…遅れてる」
『……ｯはい』
私は両親に望まれて生まれてきた子ではない
子宮を失ったお母様は、新たに２人目の子供を産むことは出来なかった。ならばと娘を才色兼備で完璧な人間に仕立て上げることを決めた
将来、優秀な男の人と結婚させるために
優秀な人に見初めて頂くには私も優秀でなければならない。その為にはミスなど絶対に許されない、私は完璧でなくてはならない
「…今日はここまでにしましょう。次のレッスンまでに今日出来なかったステップをマスターしておきなさい。わかりましたか」
『…はい。御指導ありがとうございました』
先生が高いヒール特有のカツカツという音を鳴らしながらダンスルームを出ていく
ドアが閉められると緊張の糸が解けたのか私は足の痛みからその場にへたり込んでしまった
『痛…』
ドレスの裾を捲れば、捻った右足は青紫色に変色してしまっているのが見えた。処置をするどころか無理に動かしたせいで悪化したのは明らかだ
(どうしよう)
治療箱など持っていない、かといって痣の痕を残せば怒られてしまう
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くーね(プロフ) - すいません勘違いかもしれませんほんとにすいません (5月13日 13時) (
レス) id: a173ffbdec (このIDを非表示/違反報告)
くーね(プロフ) - ぱくりと思われる作品を見つけましたのでご報告させていただきます。他界隈なのですが、内容が類似していますので、あとタイトルがあまりに似すぎているという点から。bibiをカタカナで作者検索をして頂きますと、上の方に見つかります。1度ご覧になられて欲しいです (5月13日 13時) (レス) id: a173ffbdec (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - イヴさん» イヴ様ご指摘ありがとうございます…！申し訳ございませんでした、何故ロシアと書いたのでしょう…きっと私のその時の気分がロシアだったんだと思われます((( 設定込みで再記述させて頂きました！本当にありがとうございます！ (2022年10月22日 23時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - 初コメですいつも楽しく読ませてもらっています! 一つどうしても気になることがあって、25話（26ページ）の外国語の文なのですが、おそらくロシア語ではなくドイツ語だと思うのですが…… (2022年10月22日 22時) (レス) @page26 id: 3c45d8534d (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - ｴﾘﾝｷﾞさん» レスを忘れていて本当に申し訳ありません…！！そうですね、少し参考にしていますw 感情移入してくれて私としても嬉しいです、ありがとうございます…！ (2022年8月21日 16時) (レス) @page2 id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年7月26日 12時
