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ci「俺は一旦ここまでです」
予想通りチーノから丁寧にエスコートされ、お広間の前に行き着いた
目の前の扉を１枚隔てた先には、近隣諸国の王族に貴族や一部の中流階級の人も集められ優雅な演奏曲と、豪勢なご馳走が煌びやかに溢れかえっていることであろう
そしてそこにはもちろん、今回の目的でもある我々国の方々…グルッペン総統もいるのだ
(…私は、お父様から言われた通りにするだけ)
お父様はこの婚約について私が最初に感じた通り前向きらしい。けれど相手は今まで接点が全くなかった我々国、しかもグルッペン様の立場は総統である
クランウェルが欲しているのはこの国の将来を担い婿養子となる人間…グルッペン様の様に国の頂点に立つ者が、ホイホイと他国の婿養子にはならないだろうと承諾しかねているのだ
“「お前を会場に登場させたら、その場にいる男達にダンスを誘わせる。そこでお前はグルッペン・フューラーの手を取れ」”
普通に考えれば一番最初のダンスは親族、または婚約者が担うことになっているのだが、今回は特例ということらしい
(…特例)
その言葉に少しの不安感を覚えるが、すぐに頭を降ってその考えを取り去る
何も不安に思うことなどないんだ、私がこの様な心配などせずともお父様とお母様に従っていれば問題など起こるはずもないのだから
『ｯ…』
大広間を降りる階段前で息を飲む。ただでさえ社交界にはあまり慣れていないというのに
ci「A様」
その声に振り向くと、後ろに控えて居たチーノが優しく微笑んでいる。まるで私に「大丈夫」だと訴えるように
ci「安心してください、何があっても俺は貴女を見ています」
私の執事はいつも嘘くさい笑みを浮かべている、それでもその笑顔にどこか安心する自分がいるのも否定できなくて
彼が大丈夫だと言うのならそれを信じよう
『…ありがとう、チーノ・ガオナァ』
唯一私を…私だけを見てくれる人
ci「あ…あと、先程は言い損ねたんですが」
そんなチーノは数十秒置いて、若干目を右に泳がせてからまっすぐ私の目を見た。心なしか頬や耳が赤い気がする
ci「今日のA様も綺麗やで…とってもな」
『…！』
いつもの畏まった喋り方では無い、たまに聞く彼の特徴的な訛りが入った言葉。その言葉が本心だと証明してくれていた
これでよく
でも、こんな私なんかよりよっぽど…
『貴方の方が素敵よ、チーノ』
そして目の前の扉は開かれ、私は一歩踏み出した
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くーね(プロフ) - すいません勘違いかもしれませんほんとにすいません (5月13日 13時) (
レス) id: a173ffbdec (このIDを非表示/違反報告)
くーね(プロフ) - ぱくりと思われる作品を見つけましたのでご報告させていただきます。他界隈なのですが、内容が類似していますので、あとタイトルがあまりに似すぎているという点から。bibiをカタカナで作者検索をして頂きますと、上の方に見つかります。1度ご覧になられて欲しいです (5月13日 13時) (レス) id: a173ffbdec (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - イヴさん» イヴ様ご指摘ありがとうございます…！申し訳ございませんでした、何故ロシアと書いたのでしょう…きっと私のその時の気分がロシアだったんだと思われます((( 設定込みで再記述させて頂きました！本当にありがとうございます！ (2022年10月22日 23時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - 初コメですいつも楽しく読ませてもらっています! 一つどうしても気になることがあって、25話（26ページ）の外国語の文なのですが、おそらくロシア語ではなくドイツ語だと思うのですが…… (2022年10月22日 22時) (レス) @page26 id: 3c45d8534d (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - ｴﾘﾝｷﾞさん» レスを忘れていて本当に申し訳ありません…！！そうですね、少し参考にしていますw 感情移入してくれて私としても嬉しいです、ありがとうございます…！ (2022年8月21日 16時) (レス) @page2 id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年7月26日 12時
