7 ページ7
「この世のものとは思えないほどの歌声かぁ。」
「一度、聞いてみたいよね。」
「なっ！会ってみたいぜ。」
みんなも、噂の人物に興味津々だ。
校舎裏って、私もよく行くけど妖精さんに会ったこ
とはない、かな。
「よし！KZで調べてみようぜ。」
若武が嬉しそうに提案した。
最近、事件とかなかったもんね。
きっと、ワクワクしてるんだろうな。
「それ、俺は反対だな。」
みんなが顔を見合わせてソワソワしている中、凛と
した声が部屋の中に響いた。
翼だ。
どうして、反対なんだろ。
私は不思議に思って、翼の方を見た。
みんなも同じだったようで、視線が一箇所に集ま
る。
ただ、黒木君だけは、翼を挑戦的に見ているような
気がした。
みんなにみられて、私だったらドギマギしちゃうの
に、翼は焦ることもなく、ただ真剣にみんなを見回
したんだ。
「どーしてだ！？」
若武が訳がわからない、というように声を上げた。
少し、睨んでいる気もする。
若武……そんなに調査したかったんだ。
「それってさ。知られたくないから、校舎裏で歌っ
ているかもしれないのに、KZが暴いていいのかなっ
て。その子は、嫌じゃないのかな。」
あ……。
翼の言葉に私はハッとした。
よく考えてみたら、そうだよね。
校舎裏って、普段は滅多に行かない所だ。
そんな所で歌っているのは、何か訳があるって思っ
た方がいいよね。
私達は一気にテンションが下がってしまった。
部屋が一気にしんみりとした空気になったんだ。
わわっ。
どうしたら……。
私から言い出したんだもん。
きっちり責任を取らなくちゃ！
「あの、みんな。」
し…んと静まり返った部屋に、私の声だけが聞こえ
る。
うう、緊張するな。
「目撃者って、どうして見れたのかな。」
私の言葉に、みんなは、はぁ！？というような表現
を向けてきた。
若武が心底呆れたように、
「そんなの、たまたま校舎裏に行った時に見たんだ
ろ。」
と言ったんだ。
そうなんだけど……。
目撃者は、何人も居たんだよ？
それで、気づかないのかな。
歌っていた子。
噂にもなっている訳だし、見られたくないとか、知
られたくないって思ってるんだったら、もうとっく
に……
「若武先生。アーヤが言いたいのはね、歌っていた
生徒は気づいてたんじゃないかってこと。自分が、
噂されてるって。」
私がもやもやと考えていると、黒木君が代わりに言
ってくれたんだ。
そうなんだよ！
ラッキーアイテム
香り付きの消しゴム
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アリス - ありがとうございます！最近更新が遅れてしまっていますが、頑張りたいと思います。 (2020年6月20日 10時) (
レス) id: f2ce54f87e (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ソフト - めちゃくちゃ面白いです。どうしたらそんなに面白い作品を描くことができるのでしょうか…応援しています！ (2020年6月7日 20時) (レス) id: 8055b70382 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - はい、ありがとうございます！ (2020年5月24日 7時) (レス) id: f2ce54f87e (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - おもしろいね！5時間前ってくとは、9時かな？更新がんばってください！ (2020年5月23日 14時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
アリス - うわぁ！嬉しいです。頑張りますね！ (2020年5月23日 9時) (レス) id: f2ce54f87e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アリス | 作成日時：2020年5月22日 18時
