貴方の炎に (ページ7)

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6話ページ7

「というわけで…」
「ん…はいはい」
「話は聞きなさい」
うわオペラ先輩に捕まってしまった。
終わった…一時間お説教コースだ…。
まあ、逃げれるけど。
「Aちゃん」
嗚呼サリバン様…良かったです。

理事長室へ入ると其処には既にイフリートがいた。
「よ、」
片手をあげると苦笑しながら返された。
「またあの悪魔に捕まったのか」
「いつも通り」
学生の頃から目を付けられていたから。きっとあの人なりに私の正体を感じ取っていたのだろう。
流石サリバン様のＳＤになるだけの御方だ。
「Aちゃん、そろそろいい？」
遠慮することは無い、と首を振る。
「元祖返りの話を聞く限り君の事は六指衆が狙ってるみたいで」
うわあと顔を顰めるとイフリートが天を仰いだ。
「僕が相手できるレベルじゃないし」
「やっぱり今私の事を殺しとくべきです」
流石に私の家系能力はヤバい。水以外なら何でも凍らせることが出来る…なんて言うがそれは
人の体も例外ではない。
今、生徒を護るという意識が働いているうちに殺してもらえればいいのだ。
「それは…なあ」
如何して躊躇する？
「Aは取り敢えず位階あげよう」
「何故？」
「もう見つかっていて隠れるなんて意味の無い行為だ。なら実力に見合った位階について逆に目立った方がいい」
イフリートが云うなら、と頷きそうになった。
「根本的な解決になっていない」
「僕は君に生きていて欲しい」

ふと、昔の事を思い出した。いや、云うほど昔ではないが。
この学校の生徒だったころ。
私が「元祖返りだ」と明かし、サリバン様に打ち明け命を絶つつもりだと言ったとき。
同じことを言われた。
「もし、Aが他者を傷つけてしまったら君を殺して僕も死ぬから」

如何して此処まで優しいのだろうか。