甘みと苦み ページ26
赤side
今日は珍しく朝から翔太からリクエストがあって、
みかん食べたい。と
ちょうどみかんの缶詰があったから、
朝ごはん終わりに出してあげる。
「残りは学校持っていく?」
「いいの!?」
キラキラの笑顔で喜ぶ翔太のために、残りのみかんをタッパーに入れてお弁当と一緒に
カバンに入れた。
学校に着いて、いつも通りの日を過ごす。
「涼太…みかん食べたい。」
お昼にはまだ少し早い休憩時間。
翔太が自分から食べたいなんて珍しい。
タッパーを渡してあげると嬉しそうに食べ始めた。
クラスメイトが翔太を囲んで、楽しそうにけたけた笑う声が聴こえる。
次の授業の確認の為、俺は1度席を離れた。
もうすぐチャイムがなる。
翔太からタッパーを受け取り、ベタベタの手を拭いてあげる。
キーンコーンカーンコーン
授業中盤
寝てたはずの隣の席の翔太の様子がおかしい。
「翔太、どした?」
「おなかいたい…」
さっきまで元気そうだったのにな。
トイレ行ってみる?って聞くと、頷く翔太。
こっちに向かって手を伸ばしてくるので、
翔太を抱き上げて、トイレまで連れていく。
この光景に、慣れてるクラスメイトは、無理すんなよって声をかけてくれて、
翔太も頷く。
トイレに着いて、下ろしてあげて、翔太はトイレに消えていき、
俺は廊下で待つ。
みかんの食べ過ぎで、お腹緩くなっちゃったかなぁ。
なかなか戻って来れない翔太が心配だけど、
今の俺は、待つことしか出来ないから大人しく待っておく。
ガチャ
「翔太!!大丈夫そう?無理しないでよ。」
「おなかいたい…おなかゆるゆるだし、みかん嫌い…」
確かにみかんは99%水分って言われてるけど、そんなにお腹痛くなるかな。
「しんどかったら帰ろうね。」
翔太は頑張ってみるって言うから、手を繋いで教室に戻る。
しきりにお腹をさする翔太に不安になるけど、
翔太が頑張るって言うのは止められないし、見守るしかない。
チャイムがなり、授業が終わった。
「りょーた……おなかいたい……ゆるいかも」
泣きそうな翔太を抱きかかえて、トイレまで連れていく。
廊下で待っていると、1人のクラスメイトが。
「俺はなんともないから大丈夫だとは思うんだけど、
翔太がバナナ1口ちょうだいって言ってきたからあげたんだけど。」
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愛都(プロフ) - ぽにょさん» うわぁ!今作初めてのコメント嬉しいです!今作はコメントを頂けず、不安でした。あべさくには何度か挑戦しようと書いてはみたんですが、続かず……並行して、短編集を作ろうと計画中なんですが、そちらで書かせていただいてもよろしいでしょうか? (2020年6月20日 9時) (レス) id: 00be13f8e0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ(プロフ) - とても毎回更新楽しみにしてました、完結お疲れ様でした!あべふかとかあべさくでも見てみたいなあって気持ちです! (2020年6月17日 23時) (レス) id: 2c3c24b282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛都 | 作成日時:2020年5月15日 18時