青い空の下、キミが笑えますように。【短編集】

ほどほどに。 ページ16

青side。




今日は全員でのお仕事。
今は休憩時間で、楽屋でまったり。


「翔太、このおかしあるよ。」


そう言って涼太が持ってきてくれたのは、俺の大好きなグミ。


「ありがと。」

グミを与えられてご機嫌な俺を見て、メンバーがバブいって騒ぐけど、そんなことは関係ない。

俺は大好きなグミがあることで幸せな気分だから。


「いっぱい食べちゃダメだよ。」

分かってるもん。とは言ったものの、手は止まらなかった。









「え？なべ？全部食べちゃったの？」

ふっかに聞かれて、手元を見ると袋は空。
やべ、気づかないうちに食べちゃってた。

「えへへっ涼太には内緒な。」


ふっかは呆れたように、首を竦ませ、お手上げポーズ。



「収録始めまーす。お願いしまーす。」



スタッフさんのその声で、俺も仕事モードに切りかえて、スタジオに向かった。





みんなでVTRを見てケタケタ笑ったり、結構真剣に見入ってしまう。


でもね…


なんだか……おなかいたいｯ……なんで急にｯ…


最初は気のせいかなって、ちょっとお腹さすったりして誤魔化しながらやってたんだけど、もう我慢できそうにない。

…んｯ……んんｯ……


お腹がぐるぐるしてて、なんだかよくない感じがする。
トイレ行きたい…
なんて、収録中なのに言える訳もなくて…。

冷や汗が止まらない…
どうしよう…

ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｰｯ

お腹が急降下してきて、我慢できなくて俺は隣の涼太の手をぎゅっと掴んだ。

たすけて…


「翔太、どした？」

顔面蒼白で冷や汗びっしょりの俺を見てただ事じゃないと気づいた涼太は、収録を止めてくれた。

涼太にお腹が痛いことを伝えると、トイレ行っておいでって抱っこでトイレまで連れていってくれた。
お腹は案の定ゆるゆるで…いたい

何とかお腹が落ち着いてトイレを出ると、涼太が廊下で待っていてくれた。

「翔太、大丈夫？お腹落ち着いた？」

頷いた俺の背中をさすってくれる涼太はやっぱり優しい。
いつもその優しい手に甘やかされてばかり。
悔しいけど、やっぱり安心する。


「翔太、グミ全部食べちゃったんだって？」

ここよく見てと見せられたのは、グミの裏面。

いっぱい食べすぎるとお腹が緩くなることがあります。

そう書いてあった。


「ごめん…」


「俺もごめんね。ちゃんと見とけばよかったね。」


涼太は謝ってくれるけど、これは俺の反省点。

いつも甘やかされてる俺だから、大好きなグミも涼太の優しさも、ほどほどに。

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