青い空の下、キミが笑えますように。【短編集】

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青side。



今日は苦手な船釣りロケ。
どれも大事でありがたいお仕事だから、苦手なんてほんとは言いたくないんだけど、三半規管が弱い俺はいつも乗り物酔いの餌食に。

今日も結局船に乗る前の車の移動で酔って気持ち悪くなっちゃって、舘さんやふっかやめめにはめちゃめちゃ迷惑かけちゃって…
でも、3人ともめっちゃ優しいから急に吐いちゃってびっくりしてしまった俺を大丈夫だよって、落ち着かせてくれた。
吐いちゃったおかげで気持ち悪さは落ち着き、酔い止めを飲むことが出来た。


いざ、船釣りロケのため船に乗り込むと、2:2に別れてやるらしく、俺の隣には舘さんが。

「頑張ろうね。」

何事も無かったかのように、俺とチームになってしまったけど、良かったのかな。


「…よかったの？」

不安になってつい聞いてしまった。

「何が？」

舘さんだって俺の言いたいことはわかってるはずなのに、すっとぼけるからこれはふっかと舘さんで話し合って決まったことなんだろうと、答えを聞くことは諦めた。


ロケが始まってすぐ、俺と舘さんの方を多めにとるということで、酔って映れなくなる前に素材を集めておこうってことだろう。
ふっかとめめは、酔わないから大丈夫だからって譲ってくれて、ほんと甘やかされてるなって、俺めめより歳上なんだけどな。ちょっと悔しいけど、その優しさが今はほんとにありがたい。

「…ありがと」

小さく呟いたお礼は舘さんに届いてしまったようで、無理しなくていいからね、と頭を撫でられた。

最初はまだ良かった。
あんまり喋るほうじゃない舘さんも、いつも以上に喋ってくれて気を紛らわせながら楽しめてた。

でも、肝心の魚は全然釣れてくれなくて、ゆらゆら揺れる水面をぼーっと見るしかなくなってしまった。

…んｯ…だめ、かも…きもちわるいｯ……


りょうたっ…

隣の舘さんの肩に寄りかかる。

「翔太？ダメそうだね。」

俺が限界なことにすぐ気付いてくれて、俺の手に袋を持たせてくれる。
カメラをもう1チームが引き受けてくれて、俺はもう満身創痍で涼太にぐったり身体を預ける。


「だいじょーぶ、だいじょーぶ。」

そう言って、俺の背中をさすってくれる涼太の声は、俺が1番安心出来るずっとそばにいてくれた声。


気持ち悪さの波が来る度、げぼげぼ吐いちゃう俺をずっと介抱してくれて、気持ち悪くて泣いてる俺の背中を優しくとんとんしてくれていた。



安心する手付きに、気付けば涼太の腕の中で眠ってしまっていた。

･→←計算のうち。

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