46.過去編 ページ6
ただ寝て
ただ起きて
ただ悠里に襲われて
ただ謝られて
ただ息をするだけの
生きてる心地なんてしない毎日
死ぬまでこんな生活を送るなんて
そんなの嫌だ
.
.
悠里「また後でね…A…」
貴方「…」
"ガチャリ"
悠里が去った後は必ずこの音が次に聞こえる
僕はこの音がとても心地よかった
この音が聞こえたら
今日はもう何もされないから
僕はこの自由の効かない手首を
どうにか開放したかった
ベットの背もたれに付けられた手錠のようなもの
これさえ取れれば
ある日から僕は毎日
鍵の閉まる音が聞こえたら
木製の背もたれを
鉄製の手錠で削ったり
ガンガンとぶつけたり
そのお陰で
僕の手首は毎日血が滲んで
傷が耐えなかった
本当は手を動かすのも凄く痛くて辛くて
止めてしまいたかった
けど、手錠が外れる可能性があるなら
やるしかなかった
いや、
その可能性にすがるしか無かった
.
.
.
そんな事を続けてどのくらい経ったかなんて分からないけれど
貴方「あっ……やっ…た……」
ポキリと木の折れる音がして
その破片が僕の頭にぶつかって落ちてきた
久しぶりに見る自分の手は
爪も伸びて
骨がくっきり浮き出ていて
貴方「…」
とても醜かった
その後も髪を触ったり
身体を触ったり
自分の意思で手が使える事に感動していた
貴方「…悠里が来る前に…」
手が自由になっても
ここからでない事には
この家から出ない事には
この人達から逃げない事には
前に進めない
それにしても…
どうして悠里はまだこの部屋に来ないんだ?
いつもなら僕が目覚めた瞬間に入ってきて
地獄が始まるのに
でももたもたはして居られない
外からも内からも鍵をかけられ
鍵を開けることの出来るこの部屋
鍵をゆっくりと開け
ドアノブをひねる
.
.
.
久しぶりの
いい空気が吸え
.
"ゴトッ"
.
.
.
.
.
.
.
貴方「…え?」
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そると(プロフ) - 真理子さん» コメントありがとうございます!も、もしや真理子さんも…?笑 妄想が広がったら教えて頂きたいです(大声 応援ありがとうございます^^ (2016年1月26日 23時) (レス) id: e174ab0eb3 (このIDを非表示/違反報告)
真理子(プロフ) - そるとさん» そるとさんとご趣味が合いそうな展開ですね・・・(( これからの展開が楽しみです!全力で萌えr(応援させていただきます!! (2016年1月26日 18時) (レス) id: 8acc0ae1bb (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 衣更凛月さん» コメントありがとうございます!かっ、神作?!神作者?!…あ、涙が…ッ!とても嬉しいです(泣 これからも応援よろしくお願いします! (2016年1月25日 23時) (レス) id: e174ab0eb3 (このIDを非表示/違反報告)
衣更凛月(プロフ) - うわぁ…うらやましいです!こんな神作を作れるなんて…神作者ですね! (2016年1月25日 4時) (レス) id: 01ec45c50f (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 雪狐ルナさん» コメントありがとうございます!そうなんです、小学生のくせにませてるんです← 楽しんでいただけるように頑張ります!^^ (2016年1月11日 22時) (レス) id: e174ab0eb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩味 | 作成日時:2016年1月6日 16時