なぁ、10. ページ10
教室に辿り着き、1つだけ荷物が置きっぱなしになつている机に一直線に向かう轟
俺は心臓が今にも爆発しそうで、それどころじゃない
｢…進路、決めたのか？｣
｢えっ？…あぁ、それか｣
机の上に置き去りにされていた進路調査の紙を手に取り、真っ直ぐに見つめ始める轟に少しずつ近付き轟から奪う
名前くらいしか書いていない紙だけれど、ヒーロー志望で、殆どプロヒーローみたいな奴に見せるのが恥ずかしかった
ファイルを鞄から取り出し少し雑に入れ、鞄のチャックを閉める
リュックを背負い、帰るんだろ？、とあくまでも余裕な表情を意識して言葉を放つ
あぁ、と短く返事をした轟は、何かを言いたげに歩き始めた
この場が静かになれば、自分の緊張が轟にバレるんじゃないかと不安になり、特に話す内容も緊張で思い浮かばないので進路の話を出す事にした
｢轟はもう入るヒーロー事務所決まってるみたいなもんだろ？｣
｢あぁ、まぁな｣
｢スゲェなぁ｣
｢…俺からしたらお前の方がすげぇと思う｣
｢なんで？｣
｢ずっと学年1位キープしてんだろ？1年の時から｣
｢…座学なんて何の足しにもなんねぇよ。ただのゴミだよ｣
｢…｣
｢あ、俺口悪くてさ…ごめんな、別に怒ってる訳じゃねぇんだけど｣
｢周りにもっと口悪い奴いるから慣れてる｣
｢あぁなんだっけ、爆豪？だっけ？｣
｢あぁ。爆豪の方がお前より数100倍口悪い｣
｢ははっ、大分悪いなそれ｣
｢…｣
｢…え、なに｣
｢やっぱりお前笑ってた方が良いな｣
｢…へ？｣
｢んな顔すんなよ、信号青だぞ｣
｢あ、うん｣
紅いと表現した方がいいくらいの夕焼け
辺りが、血の色の様に紅く染まり轟の白い肌を照らす
辺りが紅くて良かった
こんな女みたいに顔を紅くした俺なんてお前に見せたらなんて言われるか
酷く動揺しながら、必死に轟の後を半歩空けて付いていく
今の俺には、この距離で精一杯
それに、俺自身動揺しているという事は
[前から思ってたけどやっぱりAって笑った顔可愛いよな…]
｢っ！…｣
｢？おい、どうした気持ち悪いのか？｣
｢あぁ違う違う、ちょっと目にゴミ入っただけ｣
｢そうか｣
このっ…轟お前…俺の事心の中では名前呼びしてんのかよ…っ
ていうか、可愛いってなんだ可愛いって…
俺の何処に可愛さ見出してんだよこの馬鹿
お前の方が数倍可愛いわ馬鹿が
望まずに聞こえる本音は、俺の寿命を縮ませるには充分過ぎる
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ゆー - とても面白かったです！切ない系が好きなのでバットエンドのほうが好きでした！！！！！ (2021年12月11日 8時) (
レス) @page23 id: 84f1ca0e7a (このIDを非表示/違反報告)
塩味(プロフ) - 太陽さん» わざわざコメントでご質問頂き、ありがとうございます。 轟くんは結婚しており、子供も授かっております。 最終的に2人が結ばれたのは、番外編としての結末です。 太陽様の理解力ではなく、作者の才が無いのが問題です。御足労頂き、大変申し訳ありませんでした。 (2018年12月11日 7時) (レス) id: d356dd4e6c (このIDを非表示/違反報告)
太陽(プロフ) - こんにちわ！読ませて頂いたのですが16話ってどうゆうことですか？轟君奥さんと子供が居るんないんですか？w間違いだったらすみません！最終的に夢主くんと繋がったからちょっとよく分からない…ごめんなさい！私の理系力がないんですけど…教えて欲しいですw (2018年12月11日 0時) (レス) id: caba446097 (このIDを非表示/違反報告)
塩味(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。 水分補給をしてから是非また見に来て下さい。そして水分補給を。 嬉しいお言葉、ありがとうございました。 (2018年6月11日 19時) (レス) id: d356dd4e6c (このIDを非表示/違反報告)
みみ - がち泣きしました笑 いいお話でした ありがとうございました！ (2018年6月10日 14時) (レス) id: e9261cfd17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩味 | 作成日時：2017年9月18日 22時
