なぁ、9. ページ9
一緒に帰ろうと俺にまとわりつき、一向に帰ろうとしない女
期末も近いし、進路の事も、ゆっくり考えたかったのに…
ひとまず帰して一人になりたい、この女は邪魔だ
｢おら、遅くなる前に帰れよ｣
｢先輩は？｣
｢俺はまだする事あんの…しつこい女は嫌われるぞ、ほら、帰れ｣
｢…じゃあ昇降口まで送ってください！それくらい…良いですよね？｣
｢…はぁ〜、早くして｣
金魚の糞の様に俺のまとわりつく後輩に苛立ちを覚えながら、歩幅は決して合わせずに大股で廊下を歩き階段を速攻で下がる
本当に迷惑だ
｢っ…あいさようなら｣
｢えぇ〜2年の昇降口まで着いてないです！｣
｢っせぇなぁ…おらさっさと帰れ、遅くなると親御さんも心配すんだろ｣
｢…はぁ〜い…じゃあね先輩！｣
｢はいはいさようなら｣
｢…なんか、悪い事したか？｣
｢いや、逆に有難いよ。話すの久しぶりだな…轟｣
｢そうだな…行事も大体被らねぇし｣
どうしてこんなタイミングで轟と会わなきゃならない
しかも、うざい後輩と一緒にいる時に
絶対にあの女許さない…ほんと腹立つ
こちらとしては何度か見かけた姿だったが、やっぱり近くで見ると
心拍数が上がってしまう
少し痛む心臓を噛み締めながら、轟の顔を一瞬だけ見てまた逸らす
かっこよすぎて目の前が揺らぐみたいだ
1年の体育祭以来の会話
頑張って言葉を繋ぎながら、俺の頭の中は大分成長した轟の身体の事ばかり考えていた
前は俺と同じ位だったけど…背、抜かれたかな
制服も少し窮屈そうだし
手…あんなに傷だらけじゃなかった
それに、
｢なんか、轟変わったな｣
｢？…まぁ3年にもなれば嫌でも変わるだろ｣
｢それもそっか｣
目、お前そんな目じゃなかったよな
もっと濁ってくすんで、世の中を表したような瞳で人を見ていた
お前が大きく変化した3年間を、俺は知らない
中学の時の様な瞳はもう見れない
死んだ目をしてる癖に、俺には生きた目で見ていくれていた、あの優越感にはもう浸れない
って…俺はクズかよ
｢今、帰りか？｣
｢え？…あぁ、まぁそんなもんかな。轟は帰るんだろ？足止めして悪かったな、じゃあ｣
｢帰らないか？｣
｢…ん？｣
｢いやだから、一緒に帰らないかって、荷物教室にあんだろ？行こう｣
｢えちょ｣
思いもよらない言葉に、何故だか吐きそうだ
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ゆー - とても面白かったです！切ない系が好きなのでバットエンドのほうが好きでした！！！！！ (2021年12月11日 8時) (
レス) @page23 id: 84f1ca0e7a (このIDを非表示/違反報告)
塩味(プロフ) - 太陽さん» わざわざコメントでご質問頂き、ありがとうございます。 轟くんは結婚しており、子供も授かっております。 最終的に2人が結ばれたのは、番外編としての結末です。 太陽様の理解力ではなく、作者の才が無いのが問題です。御足労頂き、大変申し訳ありませんでした。 (2018年12月11日 7時) (レス) id: d356dd4e6c (このIDを非表示/違反報告)
太陽(プロフ) - こんにちわ！読ませて頂いたのですが16話ってどうゆうことですか？轟君奥さんと子供が居るんないんですか？w間違いだったらすみません！最終的に夢主くんと繋がったからちょっとよく分からない…ごめんなさい！私の理系力がないんですけど…教えて欲しいですw (2018年12月11日 0時) (レス) id: caba446097 (このIDを非表示/違反報告)
塩味(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。 水分補給をしてから是非また見に来て下さい。そして水分補給を。 嬉しいお言葉、ありがとうございました。 (2018年6月11日 19時) (レス) id: d356dd4e6c (このIDを非表示/違反報告)
みみ - がち泣きしました笑 いいお話でした ありがとうございました！ (2018年6月10日 14時) (レス) id: e9261cfd17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩味 | 作成日時：2017年9月18日 22時
