なぁ、13. ページ13
教室に戻れば、俺を目当てに来ていた後輩に囲まれ、時間を無駄にした
気が付けば数少ない制服のボタンは無くなっていて、持ち帰るはずだったジャージも体育着も無くなっていた
荷物が軽くなったと思えば…いいか
前を締める事が出来なくなったブレザーを羽織り、打ち上げの誘いを断りながら教室を出る
お前らに、思い出なんて無いから
本当は持ち帰らないといけない上履きをゴミ箱へ投げ入れ、ローファーを下駄箱から出し足を入れる
俺が今持っているのは、重たい卒業アルバムと卒業証書、携帯に
未練しかない感情
馬鹿げてる、そう自分でも思ってる
自分が良く分かってんだよ、上手くいくはずもないし、奇跡も起きない
そう、分かってるのに
｢んで俺、轟に言わなかったんだ…っ｣
自分の気持ちを伝えなかった事に後悔している
今更遅くて、無駄なのに
告白は、とても怖い
天香…すげぇなあいつ
よく可能性無いのにあんな堂々と言えるよな…
尊敬するわぁ
しゃがみ込み膝を抱えて、顔を膝に擦り付ける様にして丸まる
漫画だったらここで轟が俺を探しに来てくれるんだろ…？いいなぁ、楽で
｢あっ、あの大丈夫？｣
｢あ…ごめんごめん、何でもないよ大丈夫｣
｢君…もしかして｣
｢え？｣
｢あっ、僕緑谷って言うんだけど、ちょ、ちょっと待ってて！！｣
｢え、いやあの｣
肩を優しく叩かれ振り向いた先にはいつだったかに話した奴だった
緑谷…あぁ、思い出した
丸顔と眼鏡の男女は目をぱちくりさせた後に納得した様にあぁ、と声を漏らす
いや、勝手に納得するな、俺が理解出来てねぇよ
｢すぐ来ると思うから大丈夫だよ！｣
｢あぁ、ここから教室までは近いからな｣
｢…はぁ｣
俺別に緑谷と知り合いでもねぇし…
緑谷に貸しなんて作ってねぇよな…
どんなに頭を回転させて今までを振り返ってみても、緑谷との接点なんて見つからなくて
もう無駄だと思考を諦めた時だった
｢おい！｣
｢………轟じゃん｣
緑谷と一緒に階段から降りてきたのは、轟だった
あまりにも驚いて、反応が薄くなり言葉も出てこない
大分急いで来たのか少し汗が滲むこいつの姿を見て、自然と言葉が出た
｢なに、ブレザーまで奪われたの？｣
｢…あぁ｣
｢人気者は大変だなぁ｣
｢そう言うお前も随分身軽そうじゃねぇか｣
｢まぁ、私物持ってかれたしね｣
｢…あの｣
｢はいこれ｣
｢…は？｣
｢いやだから、はい｣
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ゆー - とても面白かったです！切ない系が好きなのでバットエンドのほうが好きでした！！！！！ (2021年12月11日 8時) (
レス) @page23 id: 84f1ca0e7a (このIDを非表示/違反報告)
塩味(プロフ) - 太陽さん» わざわざコメントでご質問頂き、ありがとうございます。 轟くんは結婚しており、子供も授かっております。 最終的に2人が結ばれたのは、番外編としての結末です。 太陽様の理解力ではなく、作者の才が無いのが問題です。御足労頂き、大変申し訳ありませんでした。 (2018年12月11日 7時) (レス) id: d356dd4e6c (このIDを非表示/違反報告)
太陽(プロフ) - こんにちわ！読ませて頂いたのですが16話ってどうゆうことですか？轟君奥さんと子供が居るんないんですか？w間違いだったらすみません！最終的に夢主くんと繋がったからちょっとよく分からない…ごめんなさい！私の理系力がないんですけど…教えて欲しいですw (2018年12月11日 0時) (レス) id: caba446097 (このIDを非表示/違反報告)
塩味(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。 水分補給をしてから是非また見に来て下さい。そして水分補給を。 嬉しいお言葉、ありがとうございました。 (2018年6月11日 19時) (レス) id: d356dd4e6c (このIDを非表示/違反報告)
みみ - がち泣きしました笑 いいお話でした ありがとうございました！ (2018年6月10日 14時) (レス) id: e9261cfd17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩味 | 作成日時：2017年9月18日 22時
