Hunter×Hunter〜幕間劇［クロロ］

その9 ページ10

「ぐあっ」
「がっ」


気配を感じたとたん、あっという間に私の腕をつかんでいた男たちが倒される


倒したのは、気配の主−黒髪の青年だ


纏をしていないから、たぶん念を使えない一般人なんだろうけど


何、今のケタ外れの身のこなしは!?


ただのチンピラ相手っていうのもあるだろうけど、生身であれだけの体術ができるなんて


青年が振り返って笑った


「大丈夫？」


「はい、すみません……っ？」


待て、今の声は


思い当たって、青年をガン見する


Yシャツにジーパンっていうラフな格好だけど


黒髪に黒曜石みたいな綺麗な瞳


見知った彼のものよりはあどけなく見える


でも、あのイヤリングには見覚えがある

頭に巻いてる包帯の下にはまさかあの刺青を隠してる……!?

団長さん!?


一瞬で把握した情報で、思いがけない推測がでる


「もう暗いし、家まで、送っていこうか？」


間違いない


いつもと調子は違うけど彼だ


クロロ＝ルシルフルだ


「いえ、大丈夫です
ありがとうございました」


「そう、気をつけて」


団長さんは裏通りに歩き出す


私は夕闇にとけていく彼の後ろ姿を見つめていた

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