人生最初で最後のモテ期-3-【ALL】 (ページ10)

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ぱちぱちと目を瞬かせて、一瞬前の顔を散らした占い師はうーんと背伸びをしてから…めちゃくちゃ長くて大きなアクビを立て続けに3回。

TH「やばい。眠い…俺一回ちゃんと寝てくるよ。…また会いたいけど、ここだと客になるよね？ねえ、A。今度友達として会える？」

『…ほんとに友達？』

疑う声で聞き返したら、占い師は眉毛を上に跳ね上げてコミカルに肩をすくめた。

TH「オー、正直になるよ。いずれ恋人になりたいと思ってる友達として、会ってくれる？」

『保留します』

即答したのに、占い師は笑いながら何か小さな紙を取り出して、サイドボードに置かれてたナムジュンさんのペン取って、裏にさらさら文字書いて私に差し出した。

TH「俺の個人の連絡先。カトクも。ね、絶対登録してね。おしゃべりしよ」

だからこの人の誘い方なんか幼いんだよなって、つい肩の力抜けちゃって、ふっと笑って受け取った。

『泣くほど辛くてどうにもならないからプロにアドバイス聞きたい時とかで、良いですか？』

TH「個人のだって言ってんじゃん！それ完全に占い師の俺に用事があるやつね。タダの占いはお断りします」

『アハハハハハ！プロ意識、高！』

私を好きでも、そこは断るんだってなんかツボって笑ってしまった。

占い師は笑う私を、楽しそうに見つめながら、ちょっとはにかんでる。

モテ期になってからこんなにすとんと好意を受け止められたの、この人が初めてかもしれないって思いつつ、

『良いですよ。あとで連絡先、入れておきます。小出しにしたら悩みも聞いてくれそうだし』

TH「意外と小狡いよね？端から断るからね？」

私が名刺を受け取ったら、占い師はまるでそれが最初から目的だったみたいにあっさり立ち上がって、さくさくっと事務所のドアまで進み歩いて、

TH「じゃあ起きたら連絡するから！」

って言って、私が『待って、出入り口わかるの？』って声かけたのに手をブンブン振って、

TH「そこらの人に聞くからいいよ。じゃあね」

自由過ぎる発言して、帰ってった。