人生最初で最後のモテ期-3-【ALL】 (ページ8)

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でもこれ、膝の上に乗せられてる時点で私がどんだけ抵抗しても、何一つうまく行く状況じゃなかった。

のに、占い師はうんざりって顔してる私に上機嫌でニコニコしたまま、よいしょって感じで私を抱えて隣に座らせて

TH「てのは、冗談で。まずは自己紹介からが良いよね」

って合コンみたいな事言うから、戸惑いしかない。

『冗談とは思えない勢いだったけど』

TH「そっちが行けそうだったらそりゃ行くじゃん？でも駄目そうだから。俺はキム・テヒョン」

『自由度が酷い』

TH「27歳、職業占い師、趣味は海外旅行とゲーム…あと映画もドラマ観るのも、ドライブも好きかな」

『職業以外は驚くほど普通で、混乱する…』

さっきの接触過多の雰囲気、そりゃこんな顔のいい人に接近されたら嫌でもかっかしちゃったのを散らしたくて、話にいちいち突っ込んでたら、何気なく手を繋がれた。

精神年齢急降下した？って思うくらいの無造作で、素朴な感じで、ぎゅって。

思わず横見たらきらきらした目が、私のこと好意しかないって言いながらハートの口でにひっと笑って

TH「Aのことは占いで大体知ってる」

こわ。

『大部分知ってるくせに！』

過去のフラれた人と彼氏未満と彼氏の名字ズバズバ当ててきた人が、ご謙遜を！って思って手繋がれてる方の肘でどんっと腕押したら、おっ、って感じの顔されて、それがあんまり子供っぽい顔だったから思わず笑ってしまった。

TH「まあそうなんだけど、俺の想像とか推察の部分も多いんだよね…。オー、そう言えばAから聞いた事何一つないんだな…今更だけど教えてもらおうかな。たぶん全部知ってる情報だけど」

『話の内容が混乱しか生み出さないのわかってる？』

TH「アハハハハ！Aさ、結構話すと楽しい人だね。良かった！俺おしゃべり大好き。ね。俺たち話すの楽しくない？結構気が合う方だと思わない？」

気を抜いたらぐいっと来るじゃん…

『アプローチ上手か。私これでも接客業です。誰とでもお話は上手にできます』

呆れつつも、その無邪気な顔にちょっと絆されて、握られてる手を引き寄せて指一本ずつ引き剥がしつつ、

『てかほんとに今、色々思うことあって絶賛彼氏募集してないとこですけど、とりあえず大人しくしてくれる人とは一緒にいてもいいと思いますね』

って本心からの言葉で返事してあげた。