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投げかけられた言葉に驚きすぎて固まった私に、占い師は不出来な子供を励ますような慈愛の顔で見つめてる。
なんでそんな優しい顔で、
私を見るの。
そう思ってけど、尋ねるより先に占い師の方が先に話し始めた。
TH「確かに急に好きでもない男に「好き！」て言われたら戸惑うだろうけどさ。さっきの人とかめちゃいい人そうだよ？なんで断るのかちょっと意味がわかんないよ」
私に落ちてる、て言うくせに、他の男を勧めてくる神経よくわからない。
？て顔してるのが面白いのか、占い師はくすくす笑いながら私を抱え直して、私の両手を自分の肩に引っ掛けて、自分は私の腰を抱く。
その仕草があんまり自然で欲を感じなかったから、私もついされるがままになってしまった。
そんな私に満足そうな顔しながら、
TH「つまり、よく知らない人間に好意を向けられることって、外国の料理を「召し上がれ」ってされるような感じじゃん？だからまずは何も考えずに一口パクッと、食べてみたら良いんじゃないかな？てこと」
て、持論を展開した。
『外国の食べ物？』
TH「うん。見た目が好みじゃなくても、匂いも趣味じゃなくても、嫌いな野菜が入ってたりしてもさ。国が違うと結構食べれたりするんだけど」
TH「見てるだけじゃ、わかんないじゃん？」
TH「美味しいかどうか、
本当に食べられないものなのかって」
そんなの目から鱗すぎて、至近距離で動く完璧な形の唇と、時々舌を湿らす奔放な舌を眺めながら、呆然としてしまった。
『…そんなこと、していいの？』
ぽつ、と溢れた私の声は、聞いたことないくらい頼りなさげで震えてて。
でも、悲観的な声じゃなかった。
むしろ、
できることならそれしてみたいって、
期待がありありとした、
上擦ったやつ。
占い師は、それ聞いてうっとりと私を蕩けそうな甘い笑顔で見つめて、
TH「とりあえず一番最初に、俺とかどう？」
そう来たかー。
TH「キスしてもAが消えないのか、さっきから試してみたくてうずうずしてる」
言いながら寄せて来る顔、とりあえず全力で回避した。
『いやいやいや、ごめんけどデートの前にキスはないわ…！！』
TH「でもここんとこはそんなんばっかりしてんでしょ…！いいじゃん、あと一回増えるくらい！」
お見通しで押してくるの、ほんとやめて。
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作者名：Fune55
| 作成日時：2023年10月9日 18時
